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●ジェームス R トンプソンセンター
James R. Thompson Center
シカゴが「建築の首都」と呼ばれる理由は、アメリカ建築史上の代表建築物がこの都市の随所に建てられ、それぞれの世代における多彩な建築技術、材質 そして、建築芸術の軌跡を体験することができるからでしょう。
トンプソンセンターは80年代の代表的な建築物の一つで、その奇抜なデザインと空間の発想は他の世代の建築物とはかけ離れていて、現在でも多くの建築愛好者がこの16階、94メートルの高さに及ぶガラスの建物を毎年訪れます。
このビルはシカゴダンタウンの中心部、デイリープラザの隣、100ウエスト・.ランドルフとレイク通りにあります。1985年に完成し、当時はイリノイ州のセンターと呼ばれていましたが、1993年に4期知事を務めたジェームスRトンプソンを敬し、1993年にトンプソンセンターと改名されました。
このビルは観光としての建物ではなく、ライセンス登録所、ポストオフィスなど、多くのイリノイ州行政関係のオフィスとして活用され、また、ギャラリーやショッピングプラザ、レストランなども建物内に設けられ人の往来が盛んです。 特に昼食時にはたくさんのビジネスマン、ウーマンで賑わいます。

このセンターの設計はMurphy/Helmut Jahn設計事務所によるもので、このビルはドイツ生まれの設計者Helmut
Jahnの最大傑作とされています。 完成直後には、このビルの批評は 「素晴らしい」と 「大失敗」と極端に別れ、シカゴ名物の建築議論がしばらく続いたようです。 通常のビルのイメージと異なったこのビルは、市民の間で「ダウンタウンに舞い降りたUFO」とか「スペースシップ・ビル」と呼ばれ話題をよびました。
このビルはインターナショナルス・タイル、またはフューチャーリスティク・スタイルというカテゴリーとされ、元来のスタイルとは違う風に感じられますが、建築概念は伝統的な建築構成を用いています。 確かに材質やエンジニア技術に相違はありますが、時間をかけてこのビルを歩いてみると古代ヨーロッパの開口部、中央大広間の構成を近代風に取り入れたということが明確になります。
特にロビーにはその傾向が強く、直径30メートルの花崗岩の床、スカイライトの屋根を見上げられる吹き抜けの空間、ガラス一面の外壁、壁に沿って円状に設けられた3階に及ぶショッピングプラザとレストラン、そして地下のフードコートが一望でき、その壮大さは古代愛された欧州の柱廓に囲まれた建築物での中央広場の風潮そのままです。
ロビーの中央にはガラスで張られたエレベーターがあり、また、50メートルに渡る円状のバルコニーは13階まで設けられ、高い場所からロビーを見下ろせ、ガラス壁越しにあるダウンタウン・シカゴの絶妙な景色を楽しむこともできます。
トンプソンセンターのもう一つの特色は公共芸術です。特にセンターの前のプラザに置かれた彫刻家ジーン・ドゥブフェットJean
Dubuffetの作品、 "Monument with Standing Beast"は多くの議論を呼びました。この彫刻家は"l'art
brut" ("raw art") 「生硬な芸術」として知られ、この高さ9メートル重さ10トンにも及ぶ4体の白いファイバーグラスで出来た彫刻は、幼児が遊んだ粘土を巨大にしたような形です。 現在でもこの彫刻は「醜い」とか「面白い」とか多彩な感想が路上で聞かれます。
80年代を世界で代表するこの建築物、ジェームス R トンプソンセンター。 シカゴに訪れたときは是非立ち寄ってください。

●豆知識
- グラスの屋根の下には111500 メートル四方の敷地が設けられていますが、その中には、600席の会場も含まれており、イベントや講演会などに使われています。
- 彫刻家Jean Dubuffetはトンプソンセンターの他にヒューストンのルイジアナのプラザにも彼の作品が置かれています。
- このセンターは芸術家を育む場所としても知られ、数多くの芸術が毎年購入し定期的にギャラリーに展示されています。
●James R. Thompson Center
100 W. Randolph Street
Chicago, IL 60601
312 814-6684
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