spark〜イリノイ大学 アーバン・シャンペーン校
 北米ではニューヨークのソーホーについでアートギャラリーの多いシカゴのギャラリー街ウェストスペリアー・ストリート周辺。 

 この辺りには有名無名合わせて興味深い作品が、一年中いつでも気軽に鑑賞できるように一般に開放されているギャラリーも多いので、まだ訪れたことの無い人は必見のエリアである。

 もちろんシカゴ美術館(The Art Institute of Chicago)やシカゴ近代美術館(Museum of Contemporary Art)のように大規模な企画展や、超有名作品が一堂に介するというわけではないが、その分だけ作品本来の持つ味わいを肌に触れるように感じることができ、お気に入りの作品は購入することもできるという良さがある。

 そんなシカゴのアートシーン、そして北米のアートシーンをリードし続ける最先端の作品群が揃うこのウェストスペリアー・ストリート周辺にある、イリノイ大学付属のアートギャラリー「I Space」で、イリノイ大学アーバン・シャンペーンの工業デザイン学科学生・大学院生による作品が「spark」と題されて4月いっぱい公開されている。

 この展示会のテーマともなっている「spark」とは、彼らの言葉を借りれば次のようなコンセプトである。 「Every idea starts with a spark. It can happen when you are eating lunch or lying in bed at 3 in the moring. At that one instant a light turns on and a brilliant idea appears.」


 テーマ「spark」に相応しくフレッシュで、インスピレーションに溢れる作品群は、非常に興味深い物ばかりであったが、その中でいくつか気になった作品をここで紹介したいと思う。

 Andrew Grahamによるこの作品は、学生らしくのんびりとテレビなどを眺める時にくつろげるカウチを提供したいとの思いから作られている。 基本的にチェア部分は2つのパーツからなっており、結合のさせ方によって寝転がれたり、背を向け合って2人の人が一緒に座ったりというバリエーションの変化を持たせられるところも面白い。
 Angela Biagiによる作品「interDishes」は、シンプルでありながらも特に目を惹いた作品のひとつで、クリーンなイメージでどのシチュエーションにも馴染む曲線を基調とした柔らかいフォルムは、この堅い陶器でできた作品に生き物のような命を与えている。 作品のコンセプトは、世界中の人々の生活はみな食卓で繋がっており、そこから生まれるドラマや幸せを表現したいとの思いから。 基本的においしいものが好きなので、そういうモーメントを共有したいというのもあったそうだ。


 Kristina Fioreによる作品「hydreight」は、水の大切さを認識しなおすと共に、いつでもどこでもおいしい水が飲めるように、洗練されたイメージかつ安い素材を用いたボトルを開発し、安くて安全な水の提供を目指すというもの。 ニョッキリとしたそのボトルのイメージは、とても新鮮な感性を伝えてくれる。

 Lauren Nelsonによるこのチーズケーキのような形をしたクッションは、子供が大好きな彼女が子供部屋における家具として、安全でなおかつ遊び心を持った物を作りたいとの思いから出来上がった。 基本的に1つ1つのパーツは柔らかいフェルト素材で覆われた三角形のクッションは、そのままでもカウチとして利用できるが、遊び心ある大きな目のパッチをあてていくつか繋げるとドラゴンの
ようなオブジェと化したり、縦にして山こぶのようにすると子供たちの遊具にもなったりするという優れもの。
 Louis Morton & Daniel Rudinによるベッドランプや本棚などの家具は、梱包に使用される大量の木材がそのまま廃棄されるのを二次使用できないものかと考えていた時に生まれた、エコロジー的発想のアイデア家具。 基本的に木材を使用した物なので、一見どこにでもあるような仕上がりに見えるのだが、こういう風な単純化したデザインを用いることにより、再利用の簡易性を追求しているのだとのこと。
 Traci DominiqueによるEmpowerは、エクセサイズ好きな彼女が、エクセサイズルームに溢れる筋肉マン養成器具のような男性用エクセサイズの山を目にして、女性にも安心して使用できるお洒落で手ごろなエクセサイズマシーンの開発を目指して作り上げた物。

 カラフルで軽いネット素材を中心に組み立てられたそれは、女性でも気軽に設置場所を選定でき、まるでインテリアの一部のように部屋の中に溶け込む優れもの。
 Yi LiuによるCONTAGは、どこでもいつでも仲のいい友達や恋人同士で繋がりあえるということをコンセプトに、小さなペンダント状のメモリースティックを作り上げた。 このメモリースティックの優れている点は、デザイン的にアクセサリーのような可愛さを持っているということもさることながら、ただ単に情報を記録させるメモリー機能が付いているだけではなくて、いわばバーコード読み込みのようにこれがお互いの間でのみ使用できる鍵のような機能も持っていること。

 とまあ、これ以上紹介しようと思っても切りが無いほどに若々しい面白い作品群が溢れているこの「spark」。 あなたもぜひ足を運んでみませんか? またこの「I Space」では常時イリノイ大学の学生作品を中心に展示されているので、それらの情報をチェックして将来のメジャー・アーティストの発掘も面白いかもしれない。

文責・写真:藤河 信喜


spark
"Graphic & Industrial Design, 2006," Apr 7-29, Senior Undergraduate Exhibition, University of Illinois at Urbana-Champaign
Open to the public, no admission charge

I Space
University of IL at Urbana-Champaign, 230 W Superior, 2nd fl, IL Chicago, IL 60610
phone: 312-587-9976 fax: 312-587-9978
"I space is the Chicago Gallery of the University of Illinois at Urbana-Champaign, College of Fine and Applied Arts"

ホーム | 初めての方へ | お問い合わせ | 投稿者&ライター募集中! | 規約と免責事項 | 会社概要

Copyright (c) 2005 US Shimbun Corporation. All Rights Reserved.