■シカゴ日米協会主催イベント「酒テイスティング」記事


 日本酒をテーマにしたイベント「酒テイスティング」が3月30日にシカゴ日米協会主催にて開催された。今年で13回目になるこの催しは、良質の日本酒を楽しんでもらおうという趣旨のソーシャルなイベントとして、毎年大勢の日本人とアメリカ人が参加するイベントになっている。 今回の会場は、今ダウンタウンシカゴで今人気のクラブReserveで、今回も出席者は100名を超え大盛況であった。

 大盛況の背景としては、日本からの日本酒の対米輸出が2年連続2割り増しの伸びを示していることなど、アメリカにおける日本酒ブームがあることがうかがえる。

 今回の酒テイスティングでは、日本から白鹿記念酒造博物館の矢野光男館長が招かれ、日本酒の深い文化と造酒の匠についてのスピーチ、大きな酒樽のふたを木槌でたたき開く鏡開き、白鹿ブランドの銘酒各種を楽しむ利き酒コンテストや東京との往復航空券が当たるラッフルなど盛りだくさんの内容で、会場も大変盛り上がった。 今までになかった日本酒などの説明や枡のお土産(先着順)やリーズナブルな参加費で良質の日本酒を自由に飲めたところなどに好評の声が聞こえた。

 イベントの合間を縫って、白鹿記念酒造博物館の矢野光男館長にお話をうかがうことができた。以下は、矢野氏の話である。

 シカゴで日本食のプロモーションをやりたいという話があったが、スシ・テンプラのみでなく、伝統文化の酒をやったほうがよい。 今、アメリカでブームになっている日本酒は、スシやテンプラのフォローで売れたと考えられる。 

 日本酒は、とてもヘルシーでテイスティーであるので好評を博しており、海外で日本酒が好かれ、見直されている。 そういう海外で好評な日本酒の情報が日本にもフィードバックされるとなお良いと考えている。 日本では、若い人の酒の飲み方が以前と変わってきたと感じている。 

 今時の日本の若い人は、携帯電話にはお金を使うが、お酒にはあまり使わない様子である。 また、チューハイなど自分のペースで酒を飲めるほうが良いと考えている。 日本酒には、グラスが空にならないように飲むのを勧めるのみ方のスタイルなどがあり、マイペースな今の若い人のお酒の飲み方に対する考え方とは、若干違う面もあるが、その背景には、日本の文化を感じることができ、そういう日本の文化は是非キープしていてもらいたいものである。

 また、日本酒を通じ、日本の文化も一緒に広めたいという思いもある。 旅行者の出入りは、日本から海外に出かける人と海外から日本を訪れる人では大きな差がついており、政府も「VISIT!JAPAN(ようこそ!JAPAN)キャンペーン」を組み、海外に日本を売り込むように努力している様子である。 日本の文化を伝えたいという部分では、白鹿記念酒造博物館もその一環であると考えており、音楽なども合わせ日本の文化を発信している。

 日本酒をアメリカのマーケットに広めるということについては、長い目で見ている。 アメリカでは、後発組であるが、白鹿のクウォリティーは、ナンバー1という、オーナーのフィロソフィーが社内で染み渡っており、最終的に伸びていればよいのたから無理なセールスをすることは考えていないからである。

矢野氏は、シカゴに縁が深く、約10年シカゴに赴任していた経験があり、その後も講演など事あるごとにシカゴを訪れている。 その間に知り合った人々とは、今も家族ぐるみの付き合いをしており、心の支えになっているということで、シカゴへの恩返しという気持ちもあるという。 今回も知人の関係でシカゴに招かれる運びとなった。 そんな矢野氏が300年以上続いている日本酒の老舗である白鹿で働く決心をしたことについての、父が白鹿を愛し、努力した姿を見ていたからというお話が印象的であった。

 日本酒ブームについては、本来は矢野氏のお話のように商品としての日本酒のみでなく、日本の文化も併せて伝わるようだとなお良い。どちらにしても、今回のイベントの盛り上がりから見ると、ブームは更に続きそうである。

(2006年3月30日@ Reserve)

記事・写真:鴻田

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