日米文化交流  US-Japan Friendship Performance 2006
大倉庄之助さん、山本 正旺 氏を迎えて

能楽 大倉庄之助さん



「日本の音というのは、根本的に西洋の音の概念とは違うのですよ」と大倉庄之助さん。シカゴにおける日米文化交流会でのパフォーマンスの合間に話してくれた。

西洋の音というと、機械的、人工的なもので、音符に綴られたドレミという記号をモトに旋律をつくっていく。しかし、日本の音というのは、その場、その瞬間でしかだせない音を奏でるのだという。 

環境、湿度、季節によって奏でる音が絶えず違い、その時の時間を楽しむのが、日本の音の概念だと、大倉庄之助さんは語ってくれた。

この日米文化交流:US-Japan Friendship Performance 2006でのパフォーマンスにおいて、庄之助さんは、大鼓と小鼓を打ち比べながら鼓が持つ独特の陰と陽の関係を説明した。能にとって、大鼓は身体にたとえれば骨格のようなもの。 また、(乾燥)火の力で作り出す音とも言われている。それに対して、小鼓は肉作り、水で作り出す音と語ってくれた。 この2つの奏でる鼓の硬柔の響きにより能の音を奏でていく。

このパフォーマンスでは、庄之助さんは大鼓と小鼓の材質である馬の皮と桜の木の尊さを語り、世代を重ねて打ち込まれた鼓の音の深さを、500年にわたり音をだし続けている大鼓を打ちながら説明した。 

また、「十人十色」という言葉のもとに、観客からボランティアをステージに誘い、ボランティアみずから大鼓を打たせた。 この時、ボランティアの鼓の音は打つ人によって、音が違うのを発見させる。 そして、その音は良い悪いではなく、自分の音をつくることだと説いた。

説明の後、庄之助さんはソロの大鼓の演奏した。大鼓が鼓動し、大倉さんの気合が会場にこだました。「一期一打」という言葉が相応しく、文化を超え、心が洗われる庄之助さんの大鼓の音は会場に来た人々に届いたことであろう。

大倉庄之助さんが、再びシカゴで公演するのが待ち遠しい。



山本 正旺氏に聞く。

「私にとって、エコロジーとエコノミーは同じですよ」と山本氏は語る。 山本氏にとっては、ものを大切にし、自然環境を守り、人間が健康的に育んでいける街づくりは、我々が成さなければならない課題であるという。 そして、その概念により、これからの会社経営も促進していかなければならない。

山本氏がエコロジーに目覚めたのは、35年前、合衆国の中西部にあるルーズベルト大学に留学中、ミシガン湖で眼にした残酷な風景からだったという。当時、山本氏はビジネス学の最先端を修得するために渡米していたのであるが、この日、山本氏が遭遇したのは、大量の魚の死骸がミシガン湖の湖畔から沖一面に浮いていた光景だった。

悪臭は耐えがたく、シカゴ市全体が魚の腐食した臭いに何日も取り囲まれたようだったと山本氏は語る。当時はベトナム戦争の真っ只中、ミシガン湖を挟んだ隣のインディアナ州の工場街、ゲーリーでの兵器工場からの湖の垂れ流しが、この惨事の原因だったという。

さらに同年、「ホット・サマー」と呼ばれる黒人による大暴動が起き、暴力や略奪がシカゴの各地で勃発したという。反乱は広がり、シカゴ市での警察の手には追えず、陸軍までも市に繰り出したと報じられている。 

この2つの出来事が山本氏に、アメリカのビジネスに対して深く疑問を抱かせた。世界最強であり、ビジネスの最線を行くアメリカが、なぜこのような、事態を招いてしまうのかと。

山本氏がだした答えはアメリカという国の環境への概念の乏しさということだった。生産するだけで、自然や人の住む環境に目を向けないことが、このように人の心を損じ、ついには、計り知れない惨事を生んでしまう。

そして、帰国後、山本氏は様々な葛藤の上、現在のエコロジーのコンセプトを持つ注目の成功者として名声を挙げることになる。

日米文化交流:US-Japan Friendship Performance 2006において、山本氏は21世紀を進んでいく上で、エコロジーの重視、そして、環境の尊さを母校であるルーズベルト大学のアラムナイホールで説いた。またエコロジーに賛助するビジネスの営み、自然環境保護の必要性も語った。

「空気と水と土を汚さないということ。そしてそれを保つこと。」という山本氏のメッセージに、観客は深く頷いていた。

                                              文責・佐藤/写真・鴻田

大倉庄之助 (おおくら しょうのすけ)

重要無形文化財総合認定保持者・大倉流大鼓奏者。 大倉流15世宗家故大倉長十朗の長男として1955年に生まれる。 8才で初舞台、17歳で大鼓に転向。以来、能舞台活動と共に、世界各地で独奏や名声をあげた演奏家との共演。ダライ・ラマの記念祭の舞台、または二千年のミレニアムクリスマスには、バチカンのローマ法王の招待でソロなど、日本の伝統文化を広めようと、世界を飛び回り活動している。 そんな傍らに、世界の子供経ちに日本の音を教えるクラスも設けている。また、大倉さんは、もう1つの人生においてのパッションであるオートバイにも才を発揮し、近日ではオートバイのデザインも手がけている。
山本正旺(やまもと まさおう)

隅田商事株式会社社長、商店街振興組合原宿表参道欅会理事長。1944年東京生まれ。学習院大学経済学部経済学科、イリノイ州ルーズベルト大学大学院経営学部、インディアナ州バルパレイゾー大学大学院経営学部卒業。石油事業、不動産事業、食品事業を中心に、エコロジカルなエコノミー活動を展開。世界でも注目される文化・情報・ファッションの発信地、原宿表参道を発展し続ける傍ら、30万坪に及ぶ山林に有機栽培を促す、エコ・ファームを開拓。また、アメリカのネイティブ・アメリカンとの交流を深め、貿易面で援助を促す。さらには、環境のアクションとしてソーラー発電、風力発電による新エネ利用を実践。その他、COOL BIZ 、COOL ASIAなどグローバル・ウォーミングに対しての考慮、環境保持の活動に自らの運命を託している。

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