中村泰章校長先生インタビュー記事
 4月12日(水)にシカゴ日本人学校(現地校名:シカゴ双葉会日本語学校・全日校)にて、平成18年度入学式が開催された。 シカゴ日本人学校は、文部科学省の学習指導要領に基づいて教育課程が編成され、アメリカでも日本と同じ教育を受けることができる場として、昭和53年にシカゴ日本商工会議所(JCCC)によって設立され、現在はシカゴ双葉会によって運営されている。 今回は、そのシカゴ双葉会日本語学校・全日校の中村泰章校長先生にお話を伺った。

 以下は、中村泰章校長先生のお話である。

 『日本人学校は、海外においては日本人社会の核であり、日本の文化を伝える役割がある。 当校は、設立当初から日本の学校文化と日本人としてのアイデンティティーを伝えることを継承してきている。 設立は補習校が先であるが、補習校では教育効果の面で帰国後の適応に限界があり、日本語及び日本文化を教え切れていないということで、全日校が設立された経緯がある。 ただ、当校はアメリカという地にあるため、英語によるコミュニケーション能力を高め、国際感覚を身につける重要性も考慮している。 これら、日本文化の継承と国際性の育成というキーワードは、これからも変わらない。

 教育の質については、時代に合わせたやり方に変えていかなければならないと考えている。 例えば、語学のみならず、他教科についても英語による授業を部分的に取りいれたい。 現在では、水泳・スケート・スキーなどの体育については、現地インストラクターによる英語による指導をすでに実施している。 今年は小学部低学年に週2〜3時間、米人教師による「遊びの英語活動の時間」を実施予定である。 今後は、一部主要な教科についても導入を工夫し、第2言語を並行して習得できるなどのワンステップアップを志したい。

 当校に短期間でも在籍した生徒は、その当時の仲間と定期的に会っていたりと、シカゴ日本人学校で過ごした時間を大切にしていると感じる。 シカゴ日本人学校は1998年に現在の地に移転してきたが、移転前の卒業生でも懐かしく思って訪ねてくる。 信念を持って教育を続ける中で、重要な部分が伝わっており、何かが確実に卒業生の心に育っていると感じる。 

 例えば、入学式や卒業式のような式典を重んじている部分についても、時代を超えた愛校心の継承に一役買っていると考えている。 また、生徒は、経験してきた環境のせいか、人の思いのわかる子供ばかりであり、世間で言われているいじめのような問題はない。 小・中学校はバス通学であり、高学年生は、点呼などを通じ、面倒見がよく、生徒間のつながりが良い。 子供にとって、疎外感はストレスになり、苦痛に感じる項目のひとつであるが、そういう状況はなく、100%安心できると言える。 安全については職員が子供から目を離さない環境を作っているので保護者に満足して頂いている。 

 また教育に対しても大変熱心な方が多く、教師と真剣に話しこむ場面もよくある。 われわれも保護者アンケートなどを通じご意見を集めているが、反応は、半数が学校に対する要望や提案であり、残りの半数は感謝のお言葉である。 要望や提案は、学習内容、行事、体力づくり、基本的な生活習慣の習得、安全、日本人的なものの考え方の教育についてなど多岐にわたる項目であり、できる限り対応している。 

 すぐにできることは、できるだけ早く実現させる方針で行動しており、内容によっては長期的な教育計画に盛り込んだものもある。 保護者全員を満足させることはできないが、密にコミュニケーションをとり、満足していただけるように最大限の努力をしている。 基本的に、生徒のためによいと確信できる教育を具体化させているので、多数の皆様のご理解をいただいていると考えている。 アンケートについては、教師に対しても実施しており、全職員が一丸となってよりよい環境づくりに努力している。

 言葉を換えれば、PTA(保護者)に関しては、われわれが生徒のためにしていることを全面的に評価していただきながら、良い関係を継続していきたい。 例えば、生徒の遠足や校外学習などの場合、引率の手が足りず、特に低学年に目が届きにくくなりがちな現状があるが、協力していただくことにより危機感をもつことなく安全確保でき、大変助かっている。 教師の力だけではこの地における学校教育は支えきれない。

生徒の将来については、例えば、日本での受験を控えた生徒もいるが、やはり情報不足により不安になりがちなので、早めに志望校を決めて頂き、日本の学校と直接やりとりして情報を集めるなどの努力をしている。 現状としては、帰国枠などが増えているとはいえ、志望校が各地方にまたがっており、きめ細かな部分については、学校の情報収集能力には限界があると考えている。 本校の学習内容については、授業時間数や教師の力量など、教育の環境は日本よりも良いと言える。 

 また、生徒の質が高いということもあり、日本の私学の上位ランク並みの教育レベルを保っている。』

 中村校長先生のお話は、アメリカという地で特別な環境にある生徒やその将来についてへの熱心さが伝わってくるものだった。 アメリカという地で、日本文化の継承と国際性の育成という2本柱を引き継いでいくことは、難しいチャレンジであると考えられる。 しかし、今後もこのシカゴからすばらしい人材が育っていくことと思う。

シカゴ日本人学校(現地名:シカゴ双葉会日本語学校・全日校)
2550 North Arlington Heights Road
Arlington Heights, IL 60004
Phone:  (847)590-5700
Fax: (847)590-9759
Email:  teacher@chicagojs.com

2006年4月14日@シカゴ双葉会日本語学校全日校
聞き手:鴻田
写真:藤河

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