あの日を忘れない。〜大震災1周年メモリアル写真展

 東日本大震災から1年。ここシカゴでは震災直後からさまざまな支援活動が行われてきた。あるときは子どもたちが学校で募金運動の中心となり、またあるときは日本人ミュージシャンが仲間たちに呼びかけてチャリティーコンサートを開くなど、それぞれが想いをひとつにした1年間だった。この1年という節目にあたり、地元の支援に対する感謝の気持ちと復興へと進む日本の不屈の姿を見てもらおうと、シカゴ市内では多くのメモリアルイベントが開催されている。

 1周年メモリアルイベントの火ぶたを切って開かれたのが、3月12日からシカゴダウンタウンで始まったシカゴ姉妹都市震災写真展「絆〜The Bond of Emotion〜」(シカゴ姉妹都市、大阪市シカゴ事務所、シカゴ日米協会共催)。
 この写真展では、震災直後から日経新聞のカメラマンによって撮影された膨大な写真の中から集められた約40点が展示されている。
 正午から行われたオープニングセレモニーは、シカゴの“司太鼓”による太鼓演奏で華やかに幕が開き、シカゴ日系各団体やイリノイ州、シカゴ市、日本領事館、大学関係者などから多数のゲストが参列。また、ちょうどランチタイムとあって、通りがかった多くのビジネスマンたちも足を止めて見守った。

 
 式典ではクイン・イリノイ州知事からのレターが読み上げられ、「未曾有の大災害で失われた尊い命を偲ぶとともに苦難に立ち向かう日本の人々の勇気を称え、2012年3月11日をイリノイ州の“Japanese Earthquake Commemoration Day”(日本大震災記念日)とする」旨が正式に発表された。

 日本政府からのお礼の挨拶に立った岡村善文総領事は「solidarity(結束力)」という言葉を何度も繰り返しながら、日本人が震災時に見せた絆の強さを強調。また、今回の写真展に展示されているある1枚の写真を紹介。そこには、派遣教師として宮城県七里ケ浜に赴いていたひとりのアメリカ人女性教師が被災地の子供と寄り添う姿が写し出されていた。震災後、彼女はアメリカに帰ることを拒み現地の人々と共に救済活動にあたっていたという。カメラがとらえたのは、彼女と日本を結ぶ “Bond of Emotion(絆)”そのものだった。

 今回の展示会開催に奔走した、ミュージシャンで日経記者の野毛洋子さんは、この「絆〜Bond of Emotion」の名称に込められた想いをこう語る。
 「絆とは、この震災のあと日本人同士を繋げた助け合いの絆であり、世界中から寄せられた支援の絆、この写真展の開催に携わってくれたみなさんの絆、そしてシカゴのすべての日系諸団体の団結の絆でもあるのです」
 この写真展は引き続き、21日から31日までChicago Photography Collective Galleryに場所を移して開催される。(※詳しくは文末をご覧ください)
 
東北の美しさを前面に押し出した復興写真展も同時開催

 同日午後6時から、在シカゴ日本国領事館内「Japan Information Center」において、同館主催震災写真展「Disaster, Recovery, Sceneries from Tohoku」のオープニングレセプションが盛大に行われた。タイトルが語るとおり、この写真展では東北の自然や文化の美しさを紹介しながら、被災地の人々を再びひとつに結び付けた思いやりの心や友情の絆、復興力がテーマとなっている。
 レセプションには、各国の在シカゴ大使や日系企業関係者、義援金を寄せた一般の人たちなど約200人が出席。この中には、シカゴの少女、アシュリーの姿も。震災のニュースに心を痛めた彼女は、貯めたお小遣い15ドルをもとに学校で募金活動を始め、その運動が町全体にも広がってついには7000ドルもの義捐金として赤十字に届けられたという。

 ホストを務めた岡村総領事は開催の挨拶で、アメリカはもとより世界各国から寄せられたのこれまでの温かい支援に対しあらためて感謝の意を表するとともに、昨年6月に被災地を訪れたトーゴのニヤシンベ大統領が「これだけの甚大な被害を受けながら未来に向かっていこうとする人々の強さに感動した。我が国に帰ったらこのことを国民に伝えたい」と語ったという逸話を紹介した。
 また、多くの高校生ボランティアたちが被災地で復興支援活動に奮闘したことを例に、若い世代にしっかりと根付き始めた助け合いの心を称え、 「彼らが開いた扉の意味は大きい。日本は必ず立ち直ります。そして前よりもさらに素晴らしい国土を皆で作っていきます」と力強く宣言、会場は大きな拍手に包まれた。

  出席した人たちに感想をうかがうと、「日本人の強さにとても感銘を受けた。同じく大災害に見舞われた国としてこの経験を共有しのちに伝えていきたい」(2010年の大地震で30万人以上が亡くなったハイチ・David副大使)、「過去にも戦争や天災で何度も壊滅状態になった日本のその後の復興力はすさまじかった。今回もポジティブなムードに圧倒された」(翻訳業・John F. Bukacek氏)など、復興へと一丸となって進む日本人の底力に驚嘆する声が多く聞かれた。
          
会場では “南部美人”など、東北地方の地酒が振る舞われたほか、岩手、宮城、福島3県の伝統工芸品の展示販売も行われ
日本のモノづくり力をアピールした。(写真右)中央は岡村在シカゴ日本国総領事夫妻。



 1年が経ち、今、被災地が本当に必要としているものは何なのか。それは「ずっと忘れずにつながっている」という心だろう。現代のようなネット社会に生きる私たちは、瞬時に現地の情報を得、様々な支援活動に即座に参加することだってできる。海外からでもひとりひとりが今できる支援をこれからも末永く続けながら、被災地とつながってい続けよう。
                                              取材・文・撮影/長野尚子




●在シカゴ日本総領事館震災写真展
March 13 - 30
Time: 9:15 AM - 5:00 PM
Photo Exhibition: Disaster, Recovery, Sceneries from Tohoku
Organizer: Consulate General of Japan at Chicago
Venue: Japan Information Center, Consulate General of Japan at Chicago
http://www.chicago.us.emb-japan.go.jp/JIC/News/eqphoto.html

東日本大震災追悼写真展-絆
March 21 - 31 (Open Wednesday - Saturday)
Time: 11:30 AM - 5:30 PM
Kizuna: The Bonds of Emotion Japan Earthquake Photo Exhibition (Block 37)
Organizers: Chicago Sister Cities, Chicago Photography Collective and others
Venue: The Chicago Photography Collective Gallery inside Block 37 (108 North State Street, Chicago, IL)
More Information, RSVP:
http://www.chicagosistercities.com/wp/news/osaka-japan-earthquake-photo-exhibition/


● シカゴでの義捐金受付窓口
※ シカゴ日本領事館:http://www.chicago.us.emb-japan.go.jp/indexjp.html
※ シカゴ日本商工会議所(JCCC)

JCCC英文HP:http://www.jccc-chi.org/en/index.asp
JCCC和文HP:http://www.jccc-chi.org/
いずれも寄付金は全額、日本赤十字社に送られます。



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