シカゴ美術館 特別展
『 Island Life アイランド・ライフ』東松照明 写真展



  シカゴ美術館の近代棟1階188室で東松照明(とうまつ・しょうめい)による写真24点が展示されている。1930年、愛知県名古屋市に生まれ、2012年に沖縄県那覇市で亡くなった東松は戦後日本を代表する写真家のひとりであり、フォトジャーナリストの草分けでもある。

 原爆投下後の長崎、安保と学生運動、アメリカ統治下の沖縄など揺れ動く昭和の姿をとらえたモノクロ写真で知られ、今回は1972年の日本復帰を前後に沖縄で撮影された作品を中心に構成されている。

 1969年、一般の日本人が沖縄へ行くために許可証が必要だった頃、東松は特派員として同地へ渡る。ベトナム戦争のただ中で、東松が見たものは轟音を立てて毎日のように飛び立つ核戦略爆撃機 B 52 であり、米兵相手のバーやギフトショップが立ち並ぶコザ市 (現在の沖縄市) 、そこで生活する人々だった。相容れることのない白人兵と黒人兵、1945年6月の沖縄戦で「日本の捨て石」となった現地の人たち。東松は高度成長期を迎え、太平洋戦争を忘れたかのような本土に対して写真集『 Okinawa 沖縄 Okinawa 沖縄に基地があるのではなく基地の中に沖縄がある』(1969年) を出版した。

 同時に、基地が密集する地域から離れると、古来の伝統を残す琉球諸島に強く惹かれるようになる。急速にアメリカ化する日本とは異なり、厳しい自然を受け入れながら海と共に生きる姿には、太古の魂が伝承されていた。この取材と経験は写真集『太陽の鉛筆』(1975年) にまとめられ、翌年に芸術選奨文部大臣賞を受賞した。

 今回は東松の没後にアメリカのミュージアムで初めて開かれた展覧会。会場では展示中の写真にともなう英語の説明が壁面に、日本語の原文は閲覧用資料として用意されている。(1月12日まで)











Untitled (Kadena, Okinawa), 1969, printed 1978. The Art Institute of Chicago (c) Shomei Tomatsu - interface.









Untitled (Aka-jima, Okinawa), from the series The Pencil of the Sun, 1973. (c) Shomei Tomatsu - interface. Courtesy of Taka Ishii Gallery, Tokyo.


The Art Institute of Chicago
Modern Wing Gallery 188
111 S. Michigan Avenue, Chicago, IL 60603
(312) 443 - 3600
www.artic.edu

"Shomei Tomatsu: Island Life"
http://www.artic.edu/exhibition/shomei-tomatsu-island-life

毎日 10: 30 - 17: 00 木曜のみ 20:00 まで
一般 $23 シニア・学生 $17 14歳未満は無料
シカゴ市在住者 一般 $18 シニア・学生 $12
イリノイ州在住者 一般 $20 シニア・学生 $14
2014年1月6日から2月12日まで平日のみイリノイ州在住者は入館無料
(身分証明を提示すること)



                                   (文責:斉藤博子 Text by Hiroko Saito )


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