第12回 司太鼓「太鼓レガシー」&「リダクション」公演
 (12/19・20) 



  シカゴ司太鼓による年末恒例のパフォーマンス「太鼓レガシー」が、去る12月19日と20日の両日、シカゴ現代美術館において開催された。和太鼓、日本舞踊、パーカッション、ジャズ、コンテンポラリーダンスなど様々な芸能文化との融合が生み出すダイナミックな舞台は他に比類のないパフォーマンスとして高い評価を受けており、今年で12回目を数える。
 また、19日には1回限りの特別プログラム「リダクション」も披露された。これは、タイトルのとおりエンターテイメントを極力までリデュース(低減)した究極の”太鼓アート”。もともとは10周年のプログラムとして2013年に実験的に開催されたところ大好評を博し、その後も3年続けての上演となったという。

 司太鼓代表タツ青木氏は、以前のインタビューでこう語ってくれた。
「『リダクション』は、日本の伝統的な太鼓アートをより進化させたもので、こうやって太鼓を使いたいんだ、という私の想いや太鼓のモダニズムを表現したプログラム。『太鼓レガシー』はコミュニティーの子供たちをつかって組太鼓の芸術を演じたものですが、そこから無駄なものをそぎ落としてガチガチのアートにしたらこうなりますという形が『リダクション』です。この二つのプログラムを両方やっていくことで、ボクの中での論理が成立しているんです」

 2016年は太鼓レガシ―20周年の節目の年となる。来年のパフォーマンスが今から楽しみだ。


※「太鼓レガシー」より
 
若手コミュニティーメンバーによる若々しい演舞

尺八の川村葵山(Kizan Kawamura)とダグラス・ユアート(Douglas R. Ewart)のホーンが、独特のハーモニーを奏でる
札幌から初参加した新進気鋭の太鼓家「しんた」(左)と
Eigen Aokiの迫力の太鼓バトル


          


※ 「リダクション」より
 


Ayako Katoの踊りが組太鼓に絡みつく、妖艶な世界。


   
  
            あでやかな日本舞踊から太鼓演奏へとつながる一連の動作が美しい


ニコール・ミッチェル(Nicole Mitchell)のフルートと太鼓のコラボレーション。
壮大な「和」の世界が舞台に広がる。 
      
  「太鼓レガシー」と「リダクション」は、寿司ネタと寿司飯のようなもの。どうぞ両方の良さを存分にお楽しみください」と語る、司太鼓代表のタツ青木氏。
シカゴJazzの巨匠アリ・ブラウン(Sax)と、
稀音家千鶴(右)、梅屋貴音(鼓)
 

 
(左)ハミッド・ドレイク (右)ドラム、マルチリズムパーカッション、太鼓の競演。左から、ハミッド・ドレイク、ニコール・ミッチェル(フルート)、しんた(太鼓家)、Eigen Aoki、マイケル・ジラング


 この日、軽妙な進行役を務めたタツ氏は観客にこう語った。
 「トラディショナルはただ“昔の古いもの”ではなく、現在も生きているものなのです。京都の神社に訪れた外国人観光客が、改修で新しく塗り替えられた朱色の外観を見て『トラディショナルなイメージと違う』とがっかりしたそうですが、そもそもこの色こそがトラディショナルだったのです。それが時代と共に変わっていっただけのこと。このように、形を変えながら現在も息づいているものこそが、伝統なのです」




             (2015年12月19日  文責・撮影: 長野尚子 Text・Photo by Shoko Nagano )

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