大島渚 特集上映 『愛のコリーダ』、『戦場のメリークリスマス』など8本
10月29日まで順次上映
 

 シカゴ市内のステート通りにあるジーン・シスケル・フィルムセンターでは、芸術性が高い外国語映画を紹介しており、10月3日から29日まで昨年80歳で亡くなった大島渚 (1932 - 2013) 監督の作品を8本上映する。5本はニュープリントで美しく鮮明な画像が期待できる。

 『大島渚:映画で残した遺書 Nagisa Oshima: His Will on Film 』と題された特集では『愛のコリーダ』、『新宿泥棒日記』、『戦場のメリークリスマス』、『少年』、『儀式』、『東京戦争戦後秘話』、『愛の亡霊』、『絞死刑』を順次上映、性や暴力への大胆な描写を通して、差別を生み出す権力と社会構造に疑問を投げかけた大島監督のキャリアを偲ぶ。

◎料金
一般 $11、学生 (子供6歳から17歳を含む) $7、フィルムセンター会員 $6
注)子供6歳未満は入場不可。
割引)今回は土曜日 (10月4日、11日、18日、25日) に大島作品を 2本続けて鑑賞する場合、1本目のチケットを窓口で見せれば 2本目のチケットを一般 $7、学生 (子供6歳から17歳を含む) $5、フィルムセンター会員 $4で購入できる。

◎会場
Gene Siskel Film Center
164 N. State Street, Chicago, IL 60601
(312) 846 - 2800
http://www.siskelfilmcenter.org

○会場サイト
Gene Siskel Film Center "Nagisa Oshima: His Will on Film"
http://www.siskelfilmcenter.org/nagisa_oshima_series


『愛のコリーダ』In the Realm of the Senses 
(1976年、95分)

 1936年、東京。料亭に住み込みで働く女中の定 (松田英子) は店の主人・吉蔵 (藤竜也) と恋仲になる。吉蔵は家庭を捨てて定と駆落ちし、二人は宿を転々としながら愛欲にふける。戦前の昭和を震撼させた阿部定事件を題材に、男女の性愛を極限まで描いた。大島監督の代表作のひとつで今回はオリジナル・ノーカット版を上映。
10月3日(金)6: 00 pm
10月4日(土)5: 30 pm

『新宿泥棒日記』 Diary of the Shinjuku Thief
(1968年、94分)

 真夏の新宿で本を万引きした青年・岡ノ上 (横尾忠則) 。店員のウメ子 (横山リエ) に見つかるものの二人は惹かれ合い、現実と幻滅の狭間で揺れ動く。学生運動が盛り上がり、アングラ文化が花開いた1968年の様子が切り取られている。
10月4日(土)3: 30 pm
10月6日(月)8: 00 pm

『戦場のメリークリスマス』 Merry Christmas, Mr. Lawrence
(1983年、122分)

 大島監督の代表作のひとつ。1942年、第二次大戦中のジャワが舞台。日本軍俘虜収容所でオランダ人俘虜の処刑を発端に、4名の軍人の過去と想いが交錯する。英軍少佐セリアズ (デヴィッド・ボウイ) 、英軍中佐ロレンス (トム・コンティ) 、帝国陸軍大尉ヨノイ (坂本龍一) 、帝国陸軍軍曹ハラ (ビートたけし) 。坂本は本作の音楽も担当している。原作はアフリカーナーの小説家ローレンス・ヴァン・デル・ポストによる『種を蒔くもの』。
10月10日(金)6: 00 pm
10月11日(土)5: 00 pm

『少年』 Boy
(1969年、105分)

 高度成長の最中の日本。大通りで10歳の少年 (阿部哲夫) が自動車に跳ねられ、搬送先の病院で両親がドライバーと示談を始めた。少年の父 (渡辺文雄) と母 (小山明子) は無職で、息子に当たり屋をさせ、逮捕されないように移動しながら賠償金で生活していたのだ。少年は罪悪感にさいなまれるが家族と離れられずに苦悩する。1966年に大阪で起こった事件を元に制作された。
10月11日(土)3: 00 pm
10月15日(水)8: 00 pm

『儀式』 The Ceremony
(1971年、122分)


 桜田満州男 (河原崎建三) は1933年に満州で生まれ、敗戦二年後に家族とともに九州に引き揚げてきた。その後、社会人になった満州男の元に親戚、立花輝道 (中村敦夫) の訃報が届き、葬儀に出席すべく九州へと向かう。旅の途中で満州男が想い浮かべるのは結婚式や葬儀でしか会うことのない桜田一族の面々と、その複雑な親戚関係だった。敗戦から戦後にかけての日本の姿を一人の青年を通して描いた作品。
10月18日(土)3: 00 pm
10月22日(水)7: 45 pm

『東京戦争戦後秘話 映画で遺書を残して死んだ男の物語』 The Man Who Left His Will on Film
(1970年、94分)

 1969年4月の沖縄デー闘争を映像記録に残そうとした青年、元木象一 (後藤和夫) は自分のカメラを借りた友人がフィルムに何かを撮影したまま自殺してしまう妄想に悩まされる。若い映画製作者たちを主人公に、表現活動と学生運動がつながっていた当時の風潮をとらえている。
10月18日(土)5: 30 pm
10月23日(木)7: 45 pm

『愛の亡霊』 Empire of Passion
(1978年、106分)

 原作は明治時代の実話に題材を得た中村糸子の小説『車屋儀三郎事件』。北関東のある村で、誠実な人力車夫・塚田儀三郎 (田村高廣) の妻せき (吉行和子) は26歳年下の豊次 (藤竜也) と恋に落ちた。情事を重ねるうちに儀三郎が邪魔になり、せきと豊次は共謀して殺害するものの儀三郎の亡霊が現れる。大島監督は本作の脚本も担当し、1978年のカンヌ映画祭で監督賞を受賞した。
10月24日(金)6: 00 pm
10月25日(土)3: 00 pm

『絞死刑』 Death by Hanging
(1968年、117分)

 二件の殺人と強姦致死から死刑判決を受けた青年 R (尹隆道) は絞首刑になったが絶命せず、心神喪失状態で生きながらえた。法律では心神喪失の者に刑罰を処することは不可能であり、拘置所所長 (佐藤慶) たちは R の記憶を取り戻すために必死になる。R は1958年の小松川事件の犯人がヒントで、大島監督は本作で日本の死刑制度、貧困と在日朝鮮人問題に切り込んでいる。
10月25日(土)5: 00 pm
10月29日(水)7: 45 pm




            (文責:斉藤博子 Text by Hiroko Saito )




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