TAMAさんのアメリカペット便り



著者略歴 TAMA

 2001年10月、合衆国中西部に腰を据えて4年。5人家族と犬2頭、トリ2羽の生活を満喫しています。趣味はピアノにバレエ、ガーデニングから手芸までいろいろ。

 犬飼い歴3年。迷い犬の保護、アニマルレスキューグループで預かりのボランティア、アダプション(里親探し)などに巻き込まれているうちに、なんとか不幸な動物達を減らしたいと思うようになりました。

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                 アメリカでペットを迎える


 読者のみなさん、初めまして。TAMAと申します。 シカゴから数百マイル離れた中都市郊外で動物たちと暮らしています。

 ここアメリカは犬大国。犬の保有数では世界トップで、2位のフランスの実に8倍もの犬がペットとして暮らしていると言われます。実際、戸建て住宅ならほとんどの家に犬や猫がいるのではないかと感じるほど。うちの近所など、人間よりも犬人口の方が多いかもしれません。

 さて、いざペットを迎えよう、となったらどこから迎えますか? ペットショップ?ブリーダー?新聞や雑誌?ネット?知人から?

 日本では、ペットショップの店頭で檻に入れられた可愛い子犬を衝動買い、なんてことも多いかもしれませんが、このあたりでは犬猫の店頭販売はほとんど見かけません。その代わりに、週末のペットショップではよく、レスキューされたペットのアダプションイベント(養子縁組)が行われています。今回はこのペット・レスキューとアダプションについて書いてみたいと思います。

 迷い犬、捨て犬、そして飼い主によって施設に持ち込まれる「不要になった」動物たち…それでも彼らには可能性がある限りはチャンスが与えられます。 多くのアニマルシェルター、SPCA、ヒューメイン・ソサエティなどの団体では保護した動物が安楽死を迎える前にチャンスを与える努力をしています。

 その動物の性向(健康か、攻撃的ではないか、など)を調べ、ペットとして迎えられる可能性の高い個体をアダプションに出すのです。ペットを求める人達は直接そういった団体へ出向く他、オンラインでも現在養子縁組を待っている動物たちを見ることができるようになっています(http://www.petfinder.com/ など)。

 また、先に挙げた「アダプションイベント」のように、週末のペットショップや、スーパーマーケットなど人出の多いところで養子縁組のイベントが行われることもあります。散歩途中やドッグパークで知り合う愛犬家の多くはこうしたレスキューによって愛犬と出会っています。

 我が家では、ひょんなきっかけから、とあるレスキュー・グループに所属し、フォスタリング(預かり)ボランティアをしています。多くのシェルターでは、限られた時間しか、持ち込まれた動物たちを生かしておく余裕がなく、所定の時間(最寄りのシェルターでは72時間)を過ぎると注射で安楽死させられてしまうのです。


 殺処分を待つ犬たちの中でアダプトされる可能性のある子を、里親が見つかるまでの間預かるのがフォスタリングボランティアです。フォスターは無理だけれど何か役に立ちたい、ボランティアをしたいという人には、募金、ドッグフードや毛布など物資の寄付、また週末のアダプションの時だけハンドリングボランティアをするなどの道もあります。(余談ですが、こうした寄付の類についてはちゃんと税金から控除されるところがしっかりしていると思います。)

 シェルターなどの施設へ持ち込まれるペットの大部分は雑種ですが、純血種も少なくありません。純血種が保護された場合は、まずブリード・レスキューと呼ばれる、各犬種の専門シェルターに連絡が取られるそうです。

 ブリード・レスキューは主にその犬種の愛好家や引退したブリーダーなどのボランティアによって運営されており、我が家のコリー、Hopeはそういった団体の一つ、コリー・レスキューから引き取られました。ブリード・レスキューに空きがあればそこでフォスターされながら里親が見つかるのを待つことになります。

 雑種の場合も性格や健康に問題がなければ、周りのシェルターへ連絡が取られます。いわゆるノー・キル・シェルター(殺さないシェルター)と言われるところです。空きがあれば良いのですが、どこのシェルターにも空きがない場合、今度はボランティア・レスキュー・グループの出番となり、待機しているボランティアのフォスターファミリーが、しばらくの間預かることになります。

 その間の食費や、治療、避妊・去勢手術などの費用はレスキュー・グループが立て替え、養子縁組の成立時に新しい里親が費用を負担するのです。アダプション費用は団体によって様々ですが、税金の控除対象になるようです。

 レスキュー・グループの収入としては、寄付の他、企業(スポンサー)からの援助が付くこともあります。面白いところでは、先日「明日までに新製品のモニターが100人必要。集めてくれたらお宅の団体に2000ドル寄付するよ!」なんていうのがありました。この時のモニター商品はお茶。あっという間に100人が集まり、我がレスキュー・グループは2000ドルをget!これでより多くのペットが救えることになりました。社会がボランティアに対してうまく機能しているという気がしませんか。

 さて、運良く里親やフォスターが見つかり、幸せになるペットも多いですが、残念ながらそれでも、人間の都合で"処分"されていく動物たちは後を絶ちません。薬剤の注射による安楽死は、未だにガスで窒息死させている日本の現状よりはおそらくマシと言えるでしょうが、それでも辛く、申し訳ないことです。SPCAやヒューメイン・ソサエティなどはペットの去勢・避妊手術を推奨しています。

 ペットを迎えるときに、こういうことをちょっとだけ心の片隅にとどめておいてくだされば嬉しい
です。



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