SHOKOのシカゴ郊外の町から


著者略歴 長野尚子

イリノイ州在住フリーライター。
2001年、大手出版社の制作ディレクターを退職後、単身アメリカへ留学。
その後帰国し子育て関連誌の編集者を経て、結婚を機に 2006年3月より再びカリフォルニア州バークレー市へ。
主に教育・子育て、国際文化交流をテーマに人脈を広げながら執筆活動中。
2007年10月より、研究者である夫の仕事の関係でシカゴ郊外に移る。
趣味・特技はJazz(ピアノ&ヴォーカル)、剣道(四段)。好きなことは食べることと飲むこと。
バークレーでの3年間の留学生活を綴った「たのもう、アメリカ。」(近代文芸社)発売中。


バックナンバー
     ローカルフェスティバルに普段着のアメリカを見る


  シカゴが一年で最も活気づくのが、6月〜8月。緑の多い郊外では、夕暮れになると美しい蛍の群舞が見られるのもこの時期。そんな一年で最も美しくアクティブな季節を謳歌しようと、週末ともなるとあちらこちらで「○○フェア」と名のつくお祭りが目白押しです。シカゴ市内はもちろん郊外の町でも趣向を凝らしたローカルなお祭りが次から次へと続き、家にいるのがもったいないほど。ちなみに、私がこの2ヶ月間で出かけたお祭りを書き出してみると・・・

6/21 Geneva Swedish Day (Geneva)
6/27~7/6 Taste of Chicago (Chicago・Grant Park)
7/12 Jazz Fest Glen Ellyn (Glen Ellyn)
7/19 Chinatown Summer Fair(Chicago・China Town)
7/25 Geneva Art Fair (Geneva)
7/26 Dupage County Fair (Wheaton)
8/1~2 Warrenville Summer Daze (Warrenville)
8/2 Kendall County Fair (Plano)
8/10 Art in your Eyes (Batavia)
(・・まだまだ続行中)

 とまぁ、ざっとこれだけにもなります。遊ぶだけでも目の回る忙しさ。こんなにアクティブな夏は生まれてはじめてかもしれません(笑)

 これらのローカルな(「テイスト・オブ・シカゴ」は除いて)お祭りのいいところは、シカゴで行われるイベントとは違って実にのんびりとしていること。渋滞や駐車場探しにいらいらしたり、観光客にもみくちゃにされて帰る頃にはぐったり、というストレスもなし。地元で行われる"住民による、住民のための"お祭りはどれも個性的で、遠い昔、親に手をひかれて、または学校帰りに親しい友だちと行った、あの"日本の夏祭り"の匂いをふと思い出します。

 お祭りは大きく分けて2種類。ひとつはアートや音楽、フードなどのテーマがあるもの。もうひとつは「○○カウンティ・フェア」のような、地域のファミリーFUNイベントです。前者は、テーマに沿った物品の販売を目的とした大人向けの企画がメインで、会場内での飲酒が許される(場合が多い)のが特徴。後者は、ファミリーを対象にしているだけにどちらかというと子どもが楽しめる催しが充実しており、もちろんアルコールの持ち込みも販売も禁止しているのが普通です。

 出し物がいっぱいのカウンティ・フェア
「カウンティ・フェア」の楽しみは、何といっても催し物の多彩さ。家族全員が日がな一日飽きずに楽しめる工夫が凝らされています。おなじみのところでは「Demolition Derby(デモ・ダービー)」と呼ばれる車の"泥相撲"。数台のボロ車が轟音をたててぶつかり合うさまは圧巻。それに熱狂する親子の姿も、まさにアメリカそのもの。そのほかにも、地元の農家が飼育する羊やウサギなどの動物たちと直に触れ合える「Petting Zoo(ペティング・ズー)」、"アメリカン・ファーマー体験"コーナー、産地直売市コーナー、選挙ブース、乗り物やゲームがいっぱいの「移動遊園地」などもあり、夏休みに入ってエネルギーのあり余った子どもたちがのびのびと遊びまわるにはもってこいの場所となっています。


異様な熱狂に包まれる、「デモ・ダービー」

犬のジャンプ大会「Dock Dogs」

 個性的なアーティストが集まるアート・フェア
一方、こちらはちょっと大人向けの"アート・フェア"。ここでは、イリノイ内外から集まった個性豊かなアーティストがブースを連ね、絵画・写真・彫刻・焼き物・テキスタイルなど様々な作品を展示・販売しています。アートに興味があっても、普段画廊にはなかなか敷居が高くてりづらいもの。でも、ここなら気軽に作品を鑑賞できるし、好きな作品のアーティストと直接お話ししたり値段交渉したりすることもできます。目的なくただぶらぶらしながら街角のカフェでまったりするもよし、ちょっとしたアートを探しに行くもよし。思いがけない掘り出し物にめぐり合えたら、それだけでもシアワセな気分になれます。


アート・フェアではアーティストのパフォーマンスが身近に楽しめる(Art in Your Eyes:Batavia)

小さな町の小さなJazz祭りでは商店街がコンサート会場に。(Jazz Fest Glen Ellyn)

 あなどるなかれ。ローカルロックバンド
音楽はタイムレス。特に若い頃に熱狂した音楽は、いくつになっても私たちを青春時代に一気に引き戻してくれるもの。親世代にとっては、そんな懐かしい音楽をたっぷり楽しめるのがローカル・フェスティバルの楽しみの一つです。特にカウンティ・フェアなどに呼ばれるミュージシャンたちは、大人の音楽ファンの心を絶妙にくすぐってくれるプロ中のプロ。「ローリング・ストーンズ」コピーバンド、「ブルース・ブラザーズ」完全なりきりバンド、60~70年代ロック・カバーバンド、プレスリーそっくりさん・・・など、そのエンターテイメント性もさることながらさすがアメリカと思わせる演奏レベルの高さに、こちらも思わずこぶしを突き上げすっかり気分は"学園祭"。シカゴあたりではなかなかお目にかかれない"どさまわり超ベタ色物バンド"、一度見ると結構病みつきになるかも!?

JOURNEY、GUNS N ROSES、BOSTON、BON JOVI、VAN HALEN、AC/DCなど、親世代には感涙もののアメリカンロックをたっぷりと聞かせてくれるクラッシックロック・カバーバンド「ARRA」
何百ドルもする本物のコンサートに出かけるより、こちらはお手軽でフリー。しかも小さい子連れでも見に行けるのがいい。

 ベタな企画がたまらない魅力のローカルフェスティバル。 本当の意味での「アメリカのお祭り文化」を知るにはむしろ、観光客向けじゃない、こんな郊外の地元のフェスティバルに行ってみるのも一興ではないでしょうか?これらは毎年同じ時期に行われているものがほとんど。来年は是非とも足を運んでみては?


      
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