SHOKOのシカゴ郊外の町から


著者略歴 長野尚子

イリノイ州在住フリーライター。
2001年、大手出版社の制作ディレクターを退職後、単身アメリカへ留学。
その後帰国し子育て関連誌の編集者を経て、結婚を機に 2006年3月より再びカリフォルニア州バークレー市へ。
主に教育・子育て、国際文化交流をテーマに人脈を広げながら執筆活動中。
2007年10月より、研究者である夫の仕事の関係でシカゴ郊外に移る。
趣味・特技はJazz(ピアノ&ヴォーカル)、剣道(四段)。好きなことは食べることと飲むこと。
バークレーでの3年間の留学生活を綴った「たのもう、アメリカ。」(近代文芸社)発売中。


バックナンバー
       アメリカで味わう和の美 〜小原流いけばなデモンストレーション


 
日本の代表的な芸術文化のひとつといえば「いけばな」。その始まりは室町時代中期の15世紀といわれています。日本家屋の原型となる「書院造り」という建築様式が確立され、そこに現れた「床の間」を飾るものとして生まれたのが、いけばなでした。今日までに流派は約3000を数え、中でも池坊、草月流とともに“三大流派”と呼ばれているのが、19世紀末に小原雲心(おはらうんしん) が創設した「小原流」です。

 この小原流の第9回北米教授者協会(North American Ohara Teachers Association)会議、及びいけばなのレクチャー・デモンストレーションが、10月25日から29日までシカゴ市内のコングレスプラザホテルにおいて行われました。母の影響で私も若かりしころ小原流いけばなをたしなんでいたことがあり、懐かしい小原流のデモンストレーションをここシカゴで見られるというニュースに興味津々、さっそく会場にかけつけました。

 創流からかれこれ1世紀、今では日本国内だけでなく海外にも57の支部を置き、いけばなの普及事業をすすめている小原流ですが、シカゴにおいて北米大会が行われるのは何と今回が初めてのことだそう。会場であるホテルのイベントホールは、全米の小原流教授陣やいけばな愛好家たちで超満員。会場に入りきれなかった人たちが立ち見で見守る中、小原流・関邦明研究院教授によるいけばなデモンストレーションが始まりました。関教授が8点のいけばな作品を次々と作り上げていくその傍らでは、小原流同最高顧問・小原稚(わか)子さんが活け方の手順や花材などについて流暢な英語でときおりユーモアを交えながら解説。熱心にメモをとる人たちの姿が印象的でした。

 「シカゴ支部は北米ではまだまだ小さな組織ですが、これを機に少しでも多くの方に小原流を知っていただきたいですね」と、シカゴ支部Margot Wangさん。日本を離れて改めて触れた日本の風雅に私もすっかり触発されたひと時でした。また始めてみようかな・・・。

 流祖・小原雲心が考案したという、小原流ならではのいけばなである「盛花」(もりばな)を活けこむ関教授。平たい器(水盤)を用いて、材料を盛るように面的な広がりを強調。

 花瓶を使ったいけばな「瓶花」(へいか)は、江戸時代からあった「投げ入れ花」と呼ばれる、花瓶に材料を自然な姿で入れて見せるいけばなの系譜を受け継ぎ、その伝統を踏まえた上でより現代の感覚に合うように工夫されている。

 立てる、傾ける、開く、など6つのスタイルからなる「花意匠」(はないしょう)。小原流では最も新しいいけばなで、現代の生活空間にふさわしく、さまざまな花にも対応できる様式。小原流で最初に学ぶいけばな。

 中国の文人趣味を背景にした、格調高く自由な「文人調」。
ユニークな形をした大枝を使うのが特徴で、メインの枝がきまった瞬間は会場から思わず拍手がおこった。

 「盛物」(もりもの)。バナナの葉の上に、蘭、かぼちゃ、ざくろが置かれた面白い取り合わせ。わざと植物の根を見せるというアレンジも特徴的。★

 創造と現実の世界の融合で、より自然をリアルに見せる「Landscape」(「写景」いけばな)。

 前からだけでなく、横や後ろからも鑑賞することができる深みのあるスタイル。器に数枚のもみじを浮かべることによって、見る者に「上流の森には多くのもみじがあるんだ」と想起させる。このような演出も「写景」ならでは。★

関教授と、アシスタントを務めた西晃宏助教授 ★
(★印:Photo by Gail Newman)

● お問い合わせ
小原流北米教授者協会(North American Ohara Teachers Association)
http://www.ikebana-naota.org/index.htm

● 参照サイト
http://www.ohararyu.or.jp/ikebana.php?action=index


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