元子さんのインディアン・ジャーニ



著者略歴 元子さん

 
2001年よりシカゴ西部の郊外在住。

 学生時代より持ち続けた南米のインディオ文化への興味が、アメリカ移住とともに北米インディアンへ移行中。

 米系企業でマネジャーとして働きつつ、休暇とくれば居住地巡りにアートマーケットでインディアングッズ物色、が目下の楽しみ。将来は居留地の近くに住み、リトリートを経営するのが夢。
 
 アメリカン・インディアン文化を、アメリカで普通に生活する日本人として紹介したいと思います。


バックナンバー

                  Powwow

 日本にも伝統的なお祭りが何種類もあるように、アメリカン・インディアン達の間にもいろんな祭事があります。 その中でも、最もポピュラーで、一般の人でも参加しやすいお祭りがパウワウ(Powwow)と呼ばれるお祭り。



 手っ取り早く言えば日本の夏祭りのようなもので、春から秋にかけてアメリカの到る所で、小さいものから何百人も集まるような大規模なものまで、ほとんど毎週末どこかで開催されています。 もしこの読者の方で、アメリカに住んでいる方なら、是非インターネットで調べたりして一度観に行かれることをお薦めします。

 インディアン達の精神文化は日本の文化と似ているという部分はパウワウにも表われていて、彼らの祭事のほとんどは先祖への感謝、作物の実りを与えてくれた大地への感謝、自分達の社会に貢献してくれた人々への感謝で始まります。

 残念なことに、宗教的な意味を持つような厳格な儀式のほとんどは、過去に部外者や観光客の心無い行為が続いたため、今では、部族関係者以外は、部族メンバーからの招待がなければ参加できません。 そんな中で、このパウワウはまだ一般に開放されているインディアンのお祭りで、彼ら自身の楽しみでもあると同時に、彼らの文化啓蒙活動の役割も果たしているため、積極的に一般に開放しているようです。

 大きなパウワウの会場に行けば、インディアンの人々はもちろんのこと、近隣の人々や国内外の観光客でゴッタ返しています。

 パウワウはMC(Master of Ceremony)のアナウンスに伴うダンサー達のアリーナへの入場行進で始まり、会場に入ったダンサー達はセージで清められます。 次に、彼らの踊りに先立って先祖への感謝の言葉が述べられ、続いて社会へ貢献した人々の名前が読み上げられます。 インディアン社会から米軍に志願し戦地に赴く人は多く、今も昔も「勇敢な戦士」である事は彼らの誇りでもあり、パウワウの入場行進の先頭に立つのは退役・現役軍人達です。

 入場行進が終わればダンス・コンペティションが部門別に行われ、性別・年齢別、踊りの種類別にコンテストが順に行われます。 大型のパウワウになれば、ダンサー達が夜の7時から夜中の12時まで踊り続けるものまであるほど。

 ダンサー達の中にはは全国巡業している「プロ」もいたりして、あれ?あの人何処かで見た?何てコトもあるぐらい。 そうやってダンサー達がアリーナで踊っている間、周辺の屋台でインディアン・タコを頬張ったり、ビーズやターコイズのアクセサリーを物色したり、若者達はグループでデートしてみたり。 私達でも、全く日本の夏祭りの風景と同じ感覚で参加出来るのです。

 でも、そういうパウワウにも、一応覚えておかねばならぬエチケットがあるので、ここで軽く紹介します。

1.   ダンス・アリーナは神聖な場所。 教会や寺院で振舞うのと同じように、礼儀正しい態度が求められます。 入場行進の間は起立して入場者達に敬意を払います。

2.   写真撮影は許可をもらってから。音楽を録音するのも個人的使用目的のみ。 特に、ドラム演奏、お祈りや宗教的な意味合いのある音楽の録音は厳禁です。

3.   パウワウ会場ではアルコールとドラッグは厳禁。 煙草も決められたエリアでしか吸えません。

4.   ダンサー達が身につけている正装は、先祖代々受け継がれていたり、手間ひまかけて縫い上げた“踊りのための装束”であり、“衣装”ではありません。 彼らの服装にむやみに触ることは慎みましょう。

 パウワウで披露される踊りも、Northern Style, Southern Styleに始まり、Grass DanceやFancy Dance等々、各部族によってスタイルが違うため種類がいっぱいです。 数時間におよぶダンス大会、ダンサー達の衣装に見とれるのもよし、ドラムの音と陶酔系のダンスに合わせて自分も一緒にスピリチュアルワールドに飛んでいくのもよし、自分のスタイルで楽しむのがパウワウを味わうコツです。

 さて、屋台のインディアン・タコやバッファロースープを食べてお腹一杯にして、じっくり踊りを見ているつもりがドラムの音に誘われて…あ、居眠りしちゃった!というのはモンタナのクロウ・フェスティバル(モンタナのクロウ族居留地で開かれる、全米最大のパウワウの一つ)での私でした。


ホーム | 初めての方へ | お問い合わせ | 投稿者&ライター募集中! | 規約と免責事項 | 会社概要

Copyright (c) 2005 US Shimbun Corporation. All Rights Reserved.