元子さんのインディアン・ジャーニー



著者略歴 元子さん

2001年よりシカゴ西部の郊外在住。

 学生時代より持ち続けた南米のインディオ文化への興味が、アメリカ移住とともに北米インディアンへ移行中。

 米系企業でマネジャーとして働きつつ、休暇とくれば居住地巡りにアートマーケットでインディアングッズ物色、が目下の楽しみ。将来は居留地の近くに住み、リトリートを経営するのが夢。
 
 アメリカン・インディアン文化を、アメリカで普通に生活する日本人として紹介したいと思います。


バックナンバー
                  現代社会に生きるインディアン

 今やアメリカでも日本でも「スピリチュアル」ブーム。

 アメリカでも精神世界を語る時に、イエス・キリストやマリア様、ブッダやダライラマと並んで必ず出てくるのがアメリカン・インディアン。一方日本では、最近流行のブログとやらを読んでいても、「占い師に前世を占ってもらったら私はラコタ族のシャーマンだったそうです♪」とか「スー族の戦士でした!」なんて書いている人がいっぱい。日本人でネイティブ・アメリカンに興味がある人って結構いるんだな、って事がそんな事からもわかります。

 確かに、アリゾナ州を中心に住むナバホ族の人々と日本人の遺伝子には共通する部分があるとか、アメリカン・インディアンには日本人と同じ蒙古班(赤ちゃんの時にお尻にアザが出るアレのこと)が出来るとか、「ルーツは同じ」説は多々あります。確かに、私自身もある人を見て「あ!友達の○○にソックリ!」と思った事もあるぐらい。

 とにもかくにも、日本人と同じく自然を崇拝するインディアン。「神秘的な民族」だと思われがちな彼らについては、酋長やメディシンマン(シャーマン)に至ってはもう神がかっている、とさえ思わることもしばしば。しかしながら、現代社会に生きる彼ら自身にとっては、そういう誇張されたイメージが自分でも可笑しいらしく、そんな「外界から見たインディアン」をネタにしたジョークをよく見かけます。


 秋も深まったある日、ブラックフィート(Blackfeet)族(現在はカナダ国境に隣接したモンタナ州北部に居留地がある)の一人がChief(酋長)に、「今年の冬は寒くなるんでしょうか?」と聞きました。そんなこと分かるもんか、と思ったけれど、そこは酋長「あぁ、冬は寒くなるよ。冬に備えて薪を集めるように。」と答えました。しかし、族長たるものちゃんと事実を伝えなくては、と思い、近くの公衆電話から(アメリカの)気象庁に電話を掛けたのです。「ちょっと聞きたいんだが、今年の冬は寒くなるんだろうか?」

 電話口では担当者が「ええ、今年は結構寒くなりそうですよ。」と答える。早速「もっと早く薪を集めろ」と部族に指示を出した酋長、一週間後に再度電話を掛けて聞いてみた。

 「ええ、本当に寒くなりそうですよ。」と答える担当者。「どんな木片でもいいから集めて来い!」と次なる指示を出した酋長。さらに二週間経って、酋長はまた気象庁に電話を掛けた。「今年の冬は本当に寒くなるのかい?本当にそう思うかね?」

 その問いに対して担当者が答えた。「ええ、絶対ですよ。だって、ブラックフィートの連中が死に物狂いで薪を集めてますから。寒くなる、っていうことですよ。」

 これを読んで何が言いたいか分かっていただけましたか?確かにネイティブ・アメリカンの社会では精神世界や自然からのメッセージを重んじます。しかし、寒い地域に住むインディアンは冬の天候の予想も立てられる、っていうのはそれこそ迷信だ、って笑い飛ばしたジョーク。彼らだって天気予報も聞けば、烽火(のろし)じゃなくてちゃんと電話を掛けたりインターネットを使ってコミュニケーションを取る。伝統文化をしっかりと守りながらも、彼らだって我々と同じように現在の世の中で生きているっていう事なんですよ。


ホーム | 初めての方へ | お問い合わせ | 投稿者&ライター募集中! | 規約と免責事項 | 会社概要

Copyright (c) 2005 US Shimbun Corporation. All Rights Reserved.