MASAさんの健康と医療関連トピック



著者略歴 
MASAこと、Dr.松下順彦DC,LCP


1962年、大阪生まれ、44歳。 職業は、カイロプラクティック医師。 明治東洋医学院卒: 鍼灸師免許、柔道整復師免許を所持。 大阪府枚方市で松下鍼灸整骨院を開業、10年以上の臨床経験 を持つ。

 パーマー大学卒: ドクター・オブ・カイロプラクティック学位 (DC)、カイロプラクティック哲学称号(LCP)を取得。
イリノイ州免許( Licensed Chiropractic Physician )を所持。

 2005年3月から、シカゴ郊外アーリントンハイツのACE CHIROPRACTIC CLINIC の院長。 脊柱解剖学II解剖実習参考書を著作、代替医療専門誌「医道の 日本」「マニピュレーション」「カイロタイムズ」に論文寄稿 。「カイロプラクティックのこころ」翻訳協力。「ジャングル 」「シカゴ新報」など日系紙に健康コラム執筆。 国際日本人DC倶楽部(IJDC)の会長として、正しいカイロプラ クティックの普及・啓蒙活動に精力を傾注している。

                第4回 ゴルフと健康の知識

 シカゴやアメリカ中西部の日本人・日系人の皆様は、ゴルフを楽しまれる方が大変多いように思います。 ゴルフ場が沢山あることや、日本と比較すると安価で楽しめるため、春になると待ちかねた様にゴルフ場に出かけていかれます。そして10月までの短いシーズンを惜しむかのように、週に4〜5回もゴルフ場に通う「猛者」もいらっしゃるようです。

 筆者自身はゴルフを嗜みませんが、日本で関西プロゴルフ協会会長御夫妻などの治療を担当し、アメリカでも日本人女子プロゴルファーのケアをする等、プロ・アマを問わず多くのゴルファーの治療に携わってきました。

 今回は、そういった経験や知識を基に、皆様が健康で安全にゴルフを楽しんで頂けるように、リスク、利点、注意点、予防法など、ゴルフと健康についての情報をご紹介します。

I. ゴルフのリスクを知る

ゴルフと突然死:

 東京都監察医務院の研究では、以下の結果が報告されています:

 1984年から13年間にゴルフ場で373人が突然死した。

 年齢別では、40歳代が19.3%、50歳代が33.5%、60歳代が29.0%と、圧倒的に中高年に多かった。

 死因は、心臓血管系が86%、脳血管系が13%であった。

 持病があり何らかの治療を受けていた人が243人(65.1%)に上り、死因は心臓や血管にかかわる病気が全体の85.5%を占めた。

 代表的な持病(複数回答)は、心臓と血管に係わるもの43.6%、高血圧28.5%、糖尿病11.7%など。

 健康を確信していた人が25%も含まれていた。

 また、東京都監察医務院は、「スポーツ中の突然死」という1948〜1999年の東京都内で、運動中に突然死した事例を調査した2002年2月の報告書では以下の結果が報告されています:

 スポーツ中の突然死の84%は男性。

 競技別でゴルフは第4位、55歳以上に限るとゴルフは第1位。

 病歴がない人や、自分は健康と確信していた事例が半数を占めた。

 ゴルフのプレー中の突然死は、75%がグリーン上、15%がドライバーショットのあと、残り10%にその他のプレーと入浴時や帰宅後の死亡が含まれる。

 最も多いのが1番ホールのグリーンでのパット、次が1番ホールのスタート時のドライバーショットである。

ゴルフによって起こるスポーツ外傷や障害:

 ゴルフ競技中に急に起こる外傷には、腰痛、肋骨骨折、腰部ざ傷・捻挫、胸・腹・背部ざ傷、アキレス腱痛・断裂、肩部ざ傷、頭部・顔ざ傷、足関節部捻挫、膝内障、前腕・手関節部ざ傷、などがあります。 

 ゴルフを反復・継続してプレーするうちに徐々に傷めてしまう障害として「ゴルフ肘」が有名であり、プロゴルファーの70%以上が「慢性の腰痛」に悩まされていると言われています。また「頚肩腕症候群」と呼ばれる、首から肩そして腕に痛みや痺れなどの症状を持つ人も少なくありません。

 上記の内容からも分かるように、ゴルフは体に負担を掛ける要素があるのです。

II. ゴルフの効用

 生涯楽しめるスポーツ:ゴルフは、プレーそのものの運動が激しいものではないので、あらゆる年代・年齢層でも楽しめます。

 脳の老化を防ぐ:ゴルフのプレーには力強いドライバーショットから繊細なタッチのパッティングまで身体的なコントロールが必要である他に、コースの状況、距離、風や芝など様々なことに対して思考や判断が必要であり、脳の老化予防の効果が期待できます。

 レクリエーションになる:スコアーをあまり気にしないでゴルフコースの緑の中でリラックスすれば、気分転換になり、明日への活力となることでしょう。

 良い運動になる:1ラウンドを歩けば約12,000歩(約8Km)の運動で約400キロカロリー、スイング等で約100キロカロリーと、合計約500キロカロリーと、成人の1日のカロリー所要量の約4分の1を消費することも可能です。勿論カートを利用して移動すれば、運動量はその分が減少します。

 ゴルフは、あまり激しくない運動であり、肥満の人や体力のない人にも楽しむことが出来ます。

 週末をソファーの上でテレビを見ながらダラダラ過ごすより、ゴルフ場の緑の芝の上で体を適度に動かす方が健康的です。

 仕事上の人間関係を深める:1ラウンドを終了するのには約4〜5時間掛かりますし、その後の食事などを含めればかなりの時間を共有することになります。プレー中のマナーや、会話などを通じて自分という人間を知ってもらう良い機会でもあり、より親しくなるチャンスでもあります。

 家族や友人と楽しめる:夫婦で、家族で共通の趣味としてゴルフは楽しむことができます。ゴルフを通じて会話が弾み、自然の中で家族の絆がより強まる機会となるでしょう。

 また、友達と、友人夫婦と、或いは友人の家族と一緒にゴルフを楽しむことも出来ます。

III. 女性とゴルフ

 最近はゴルフを楽しむ日本人女性も増えており、特にシカゴ郊外に在住する方では気軽にゴルフを始められているようです。そこで、怪我や事故を避けてゴルフを楽しんで頂くために重要なポイントをご紹介致します。

身体チェック:ゴルフを始める前に、そして定期的に身体状態のチェックとメンテナンスが必要です。体の中心であり神経系の機能に関わる重要な骨格・脊柱の状態を検査する為に、カイロプラクティック医師(DC)の診察を受けることをお勧めします。中高年の方は、カイロプラクティックに加えて、心筋梗塞や脳卒中などのリスクがないか医師(MD)の診察を受けることもお勧めします。

基礎体力:ゴルフを楽しむためには、技術の修得の前に、基礎体力、筋力アップ、柔軟性アップなどが重要です。ゴルフ肘や腰痛などを防ぐためにも、いきなりゴルフの練習を始めるのではなく、先ずはストレッチなどで筋肉と関節の柔軟性を上げておく必要があります。それと並行して筋力をつける運動をおこないましょう。特に脚、腰、肩、腕、握力などの筋力アップは必須です。また現在の体力に応じて散歩やジョギングなどで基礎的な体力をあげておきましょう。こういった準備は、日頃運動をされていない方は特に気を付けて下さい。

子供連れは避ける:ゴルフクラブやボールは硬く、当たれば危険な凶器になります。練習に集中していると子供にまで気が回らなくなりがちですから、子供が不意に接近しても気が付かない恐れがあります。クラブの回転半径は予想以上に大きく、またボールは予想外の所にも飛んで来る事もあります。事故が起こってからでは取り返しがつきませんので、幼児を連れての練習は避けましょう。

日焼けに注意:長時間の紫外線はデリケートな女性の皮膚には大敵です。日焼けやシミなどの原因となるほか、皮膚の老化が進み皮膚ガンのリスクも増えます。紫外線は正午前後が強いので、自分にあった日焼け止めを用意しましょう。日焼け止めの効果は長くて2〜3時間です、効用持続時間を確かめて適当な時間に再塗布しましょう。

IV.ゴルフによる外傷や障害の予防対策

基礎体力の養成:体力がなくて疲れてしまうと注意力も散漫になり怪我をすることが多くなります。ジョギングなどで平素から体力を付けておきましょう。筆者はミニチュア・トランポリンでの運動をお勧めします。膝や足首に衝撃が掛からず、リンパの流れも活性化できます。

必要な筋肉の強化:ゴルフのプレー、特にスイングに用いる筋肉群の強化は、腰痛やゴルフ肘などの障害や怪我を防ぐうえで大変重要であるだけでなく、飛距離の向上など競技成績の改善にも有効です。カイロプラクティック医師(DC)などに指導を受けながら無理なく行いましょう。

フォームの改善、合理的な技術の修得:我流の練習では悪い癖がついたり、それに気が付かない事も多く、不適切なフォームや練習法で身体に無理が掛かり外傷や障害の原因ともなります。プロや上級者などの指導を受けて、フォームを改善し、理に適った技術の修得に心掛けましょう。

十分な準備運動とストレッチング:ゴルフは激しい運動ではありませんが、それでも身体各部に負荷が掛かるスポーツです。ゴルフを軽く見ず、十分な準備運動とストレッチを事前に行いましょう。準備運動などによって怪我を未然に防ぐことが大切です。この準備運動で身体に変調を感じた場合はゴルフを中止する方が安全です。無理して良いことは何もありません。止める勇気を持つことも必要なのです。直ぐにカイロプラクティック医師(DC)などの診察を受けましょう。

体力・能力相応のプレーを楽しむ:一緒にラウンドする他のゴルファーとスコアを競い合うことだけがゴルフではありません。自分の年齢、体力、健康状態、そして能力などをよく鑑みて、それらに応じたプレーを楽しむように心掛けて下さい。緑や風、澄んだ空気などを楽しむと共に、心にゆとりを持って他のプレーヤーとの会話なども楽しみたいものです。

マナーを守って安全確認を怠らない:ゴルフは紳士のスポーツです。プレーの内容だけでなく、マナーもゴルファーとしても評価の一部です。自分勝手なマナー違反は、他のゴルファーを不快な気分にさせるだけでなく、危険なプレーにも繋がり迷惑になるものです。基礎的なマナーやルールを守り、油断せずに常に安全確認をしましょう。怪我をしないさせないために重要です。

V.ゴルフ競技中の心筋梗塞や脳卒中の予防

寒い時のゴルフを避ける:寒い中をプレーしても楽しくないだけでなく、脳卒中のリスクが高く、また身体が硬くなるので怪我もし易くなります。特に中高年の方は、このリスクを避けましょう。寒い中を我慢しながら、震えながらプレーしても何の得もありません。雨天で寒い場合も同様です。危険を避けるために、その日はゴルフを止める勇気も必要なのです。

肌寒い時のプレーは保温が大切:少しでも冷える時のために、予めウインドブレーカーなど保温の為に羽織れるものを常に準備しておき、適宜適切に着用して身体を冷やさないように努めましょう。身体が冷えると抵抗力・免疫力が低下してしまいますから、保温することは風邪の予防にもなります。

夏の炎天下では水分補給を十分に:炎天下の時は脱水状態になりやすいので、ボトルウオーターなどを多めに準備して、こまめに、かつ十分な水分の補給に心掛けましょう。血液の粘度が上昇することも防がなければならないからです。但し、ガブガブ飲みすぎるのも良くありません。梅干などを準備するか、スポーツ・ドリンクを1本程度用意し、ミネラルも適当に補給すると良いでしょう。

時間・スケジュールにゆとりをもつ:ゴルフの前後に他のスケジュールがあると、ゆったりとした気持ちでプレーが出来ません。イライラすると身体に余計なストレスを掛けることになり危険です。ゆったりとした気持ちでプレーすることが出来るよう、ゆとりを持ったスケジュールにしましょう。

血圧・体重のコントロール:高血圧や肥満・太りすぎなどは生活習慣病である場合が殆どですが、一般的な病気のリスクが高まるだけでなく、ゴルフ競技中の心筋梗塞や脳卒中による死亡のリスクも上昇する原因となります。平素から規則正しい生活、適切な食生活、適度な運動などに心掛けて血圧や体重をコントロールするようにしましょう。

 自己管理の能力もゴルフを楽しむうえでは必要とされているのです。

健康管理と予防のすすめ:

1. 定期的に医師の診察や検査を受け、脳血管疾患、心臓疾患、そして高血圧や糖尿病などの生活習慣病について、自分の体の状況を知っておくようにするとよいでしょう。

2. 定期的にカイロプラクティック医師の診察や検査を受け、身体のコントロールの中心となる神経系の機能の状態や、筋骨格系の状態を知り、必要に応じて調整の為のケアを受けておくとよいでしょう。

 2006年に30歳で50勝に到達し、ツアー5連勝と活躍したタイガー・ウッズ選手が、専属のカイロプラクティック医師を雇って体の管理をしている事はよく知られています。

 一流のプロ・アスリートは、健康・体調の管理の重要性を認識しています。そうでなければ厳しい練習に体が持たないからです。そして、万全の体調で試合に臨まなければ、良い結果が期待できないことを痛い位に知っているのです。

 プロゴルファーでなくても、練習やラウンドで体に負担を掛けていることは、もうお解かりでしょう。体調を崩して仕事や日常生活に支障が出ないように、健康を保ちつつ長くゴルフを楽しめるように、体のチェックとケアに心掛けて下さい。

 それが貴方の体と貴方の家族の生活を守り、ゴルフの成績UPに関わることなのです。



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