MASAさんの健康と医療関連トピック



著者略歴 
MASAこと、Dr.松下順彦DC,LCP


1962年、大阪生まれ、44歳。 職業は、カイロプラクティック医師。 明治東洋医学院卒: 鍼灸師免許、柔道整復師免許を所持。 大阪府枚方市で松下鍼灸整骨院を開業、10年以上の臨床経験 を持つ。

 パーマー大学卒: ドクター・オブ・カイロプラクティック学位 (DC)、カイロプラクティック哲学称号(LCP)を取得。
イリノイ州免許( Licensed Chiropractic Physician )を所持。

 2005年3月から、シカゴ郊外アーリントンハイツのACE CHIROPRACTIC CLINIC の院長。 脊柱解剖学II解剖実習参考書を著作、代替医療専門誌「医道の 日本」「マニピュレーション」「カイロタイムズ」に論文寄稿 。「カイロプラクティックのこころ」翻訳協力。「ジャングル 」「シカゴ新報」など日系紙に健康コラム執筆。 国際日本人DC倶楽部(IJDC)の会長として、正しいカイロプラ クティックの普及・啓蒙活動に精力を傾注している。

                第2回 西洋医学と補完代替医療

 近代以降、科学の進歩に伴うMRIなどの画像診断機器の発達と、国や製薬会社などによる潤沢な資金を背景にした新薬開発の為の研究などの成果によって、西洋医学は救命救急を得意とする外科医学、そして投薬による化学医学として世界の医療の中心的な地位を確立しています。

 しかし、近年は西洋医学で治癒しない患者の増加や、情報化社会が進み、薬の副作用や医療ミスなどが頻発していることが広く知られるようになったことから、知識人やアスリート、そして健康に関心の高い人々を中心に西洋医学以外の治療法、例えば鍼灸、カイロプラクティック、ヨガ、栄養補助食品などの補完代替医療に救いを求める人が増加して来ました。

 かつては補完代替医療といえば医師から「非科学的な民間療法」として一蹴されていましたが、この20年ほどの補完代替医療の需要の高まりを受けて、各国政府機関や医学界なども補完代替医療について再評価の為に研究を開始しています。

 筆者は、東洋医学の中心である鍼灸を本場である日本で2千4百時間以上の正規教育を受け、鍼師免許と灸師免許を取得。 日本の伝統医学である柔道整復(接骨)を学び、柔道整復師免許を取得し、日本の国家資格3種の免許を与えられています。 また、カイロプラクティックについても、本場アメリカの源泉であるパーマー大学で4千6百時間以上の大学院レベルの正規教育を経てドクター(DC)の学位を取得し、イリノイ州のカイロプラクティック医師免許を取得しています。 そして更にカイロプラクティックの原理原則を上級課程で修め、カイロプラクティックの哲学称号(LCP)を取得した唯一の日本人であり、日米で補完代替医療の1学位1称号と計4種の免許を持つ補完代替医療のスペシャリストとして、正しい情報を分かりやすく提供致します。

 医学と補完代替医療に加えて、研究論文などの参考文献を根拠に、様々な健康生活お役立ち情報をトピックとして紹介し、鍼灸やカイロプラクティックのミニ講座も提供したいと思います。

1.西洋医学

 21世紀の現在、世界の医療の中心となり、正統医学と呼ばれるものが西洋医学です。 近代西洋医学は、医学の父と呼ばれるヒポクラテスと古代ギリシャ医学をその起源としています。 

 ヒポクラテスは、それまでの原始的な医術から迷信や呪術などを切り離し科学的な医学を発展させ、また医師の倫理性と客観性を重要視する「ヒポクラテスの誓い」を完成させるなどの業績がありました。 その後、欧州を中心にその哲学、知識、技術などが受け継がれて発展したので西洋医学と呼ばれるのです。

 中世の暗黒時代などの紆余曲折を経て発展した西洋医学は、薬(西洋薬)と手術を治療行為の中心としていることをその特長としています。 また、病気をその症状や病態等によって分類して病名を付けています。 そして、症状に対して逆の反応を体に起こさせる薬(例えば症状が発熱なら熱を下げる解熱剤)によって症状を押さえ込むことや、病気に侵された臓器を手術で取り除くことで症状を排除するなど、症状を解決する方法を発展させた医学と言えます。 この特長から、西洋医学は逆症療法医学または対症療法医学(Allopathic Medicine)とも呼ばれています。

 西洋医学は、投薬(内科)と手術(外科)を中心として発展し、近代においては植民地主義・帝国主義そして軍国主義が当たり前の時代であり、覇権主義によって競い合っていた欧州の列強先進諸国は、自国の軍隊の伝染病管理や負傷兵の処理などに適した西洋医学を擁護して発展させたことから、軍事医学と呼ぶこともあるようです。 

 日本は封建時代であった江戸時代までは鍼灸医・漢方医などによる東洋医学が国家の医療の中心でしたが、明治維新の頃に武士による戦は終焉を迎え、西洋式の軍隊制度が導入され、それに併せて西洋医学が国家の医療とされ、東洋医学は民間療法に格下げされた歴史的経緯があります。

 また、西洋医学は医師を中心に、薬剤師、看護師、放射線技師、臨床検査技師、理学療法士などの医療専門職のスタッフによるチーム医療であるという特長もあります。 画像診断機器や生化学検査などを駆使し、診断学が発展している点で補完代替医療より秀でています。

 しかし、救命救急などの外科的処置に優れている反面、原因の特定出来ない疾患、治療法が確立されていない疾患や慢性疾患などは、効果が得難い場合もあり、逆に薬による副作用などが起こるリスクがあります。

2.補完代替医療

 正統医学と呼ばれる西洋医学に対して、西洋医学以外の医学や医療を総称して補完代替医療(CAM)と呼んでいます。 そして更に2つのグループに大別されます。

 一つは、鍼灸や湯液などの中国医学、指圧や柔道整復などの日本医学、アーユルベーダやヨガなどのインド医学、チベット医学、アラビア医学などの民族伝統医学や、カイロプラクティックという米国発祥の医学、ナチュロパシー、ホメオパシーなどの比較的新しい医学など、理論が体系化されている独自の医学群です。 国や地域によっては、医師免許など免許制度が確立されています。

 そしてもう一つは、温泉療法、食事療法、音楽療法、ハーブ療法、栄養補助食品、瞑想、霊気などの医学としての体系が十分でない療法などのグループです。 このグループには、検証が不十分なものや宗教的・心霊的要素を含むものが多く、その効果と安全性には不明な部分が多く散見されます。 国が認めた免許制度すらないものが多く、医療というよりは癒しの要素が強いでしょう。

 補完代替医療は、いくつかの代表的な伝統医学を除き、その多くが民間医療、伝承医療、経験医療などとして主に民衆の間で長く受け継がれて来ました。 教育は、親子・家族による一子相伝や、徒弟制度などによるものが主流でした。

 鍼灸や湯液(漢方薬)など中国医学は、例外的に当時の中国皇帝の庇護を受けて、国家の医療として発展して来ました。 中国や韓国においては、近年では5年間の大学教育で中医師や韓医師を養成する医師免許制度が確立されています。

 補完代替医療は、西洋医学とは異なる独自の健康観、概念や哲学を持っていることが特徴です。 人体の持つ「自然治癒力」を高め、それによって病気を治したり防いだりすること。 肉体と精神の調和を重要視すること。 人体の内的なバランスを維持すると同時に、自然(外的環境)との調和を重要視すること。 自然界に存在するものを選択して薬などとして治療に用いること。 気やエネルギーといった科学的に証明が困難な概念を含んでいること、などが主な特徴といえるでしょう。

 また、複雑骨折などの外傷、出血性疾患や伝染性疾患などは禁忌症であったり、効果が期待出来ない場合があります。 診察から治療に至る全てを医師(施術者)が一人で行うことが多く、患者と接する時間が長いことも特徴でしょう。 但し、科学的な診察機器を用いることは殆どなく、主観的で再現性に乏しく、経験が正確性や錬度に影響を与えやすいといえます。

3.まとめ

 アメリカ合衆国を例にしてみると、西洋医学はERなどのドラマでも取り上げられるように、緊急処置、特に救命救急に実力を発揮することが一般にも認識されています。 また、血液や細胞などの生化学検査、CTなどの高度画像診断装置などによる科学的な診断とその体系がよく整備されているといえるでしょう。 医療保険などの補償もあって、医学と医療の中心としての地位を占めているのが西洋医学です。

 しかし、医療ミスや薬の副作用などの情報が一般に知られることが増え、Dr. Eisenbergがニューイングランド医学ジャーナルに発表した研究によると、米国では1990年の時点で既に西洋医学離れが顕著化している事が判明しました。

 「1990年に西洋医学の医師への受診は3億8800万回であったのに対し、補完代替医療の受診は4億2500万回であった 。」
Eisenberg, D.M.: New England Journal of Medicine 328: 246-252.

 そして7年後の1997年の調査では、西洋医学の医師への受診は3億8800万回から横ばいであったのに対して、カイロプラクティックや鍼灸などの補完代替医療の受診は、1990年の4億2500万回から1997年は6億2900万回と著しく増加していたことが、アメリカ医師会ジャーナルで発表されています。

 「1990年から1997年の間に、代替医療の受診は6億2900万回と増加したのに対し西洋医学の医師への受診は横ばいであった。」
Eisenberg, D.M.: Journal of American Medical Association 280(18): 1569-1575.

 その理由には、西洋医学の医療費の高騰に加えて、医療保険の掛け金の高騰により保険を持たない者の割合が増加したことが、患者達が病院に行かないことに更に拍車をかけている原因のひとつでしょう。 しかし、患者達は補完代替医療の受診はしているのです。 費用対効果が優れているからでしょう。

 賢明なるアメリカ市民は、医原病や医療過誤のリスクを知り、それを避けて、先ずは自然で安全な補完代替医療を試すようになったのです。 そして慢性疾患の患者達も症状を抑えるだけで原因を解決せず副作用のリスクが高い医薬品を生涯呑み続ける事を避け、カイロプラクティックや鍼灸などが症状に対する効果だけでなく、原因療法(根本療法)であるところを評価して救いを求めているといわれています。

 また、プロやハイ・アマチュアのアスリート達に加え、知識人、高学歴のエリート達、政財界人などを中心にカイロプラクティックや鍼灸などの評価と需要が高まっているのを受けて、一流企業などでは「カイロプラクティックと鍼灸のカバーが良い医療保険」を社員に提供する会社が増加しています。 それが優秀な人材を確保する手段として有効になってきているのです。

 西洋医学が医療体系の中心であることには変わりはありませんが、西洋医学では救えないケースに補完代替医療の効果がある場合もあることが認知されて来ているのです。 

 西洋医学も補完代替医療も全ての医学・医療は、まだまだ未完成・不完全の発展途上の医学です。それは人類の持つ科学が不完全なものであるのと同じです。 それぞれの特徴を生かし、互いに補完しながら「病める者を救い、健康な者を病から防ぐ」という医療の目的達成のために協力してゆくことが望ましいのではないでしょうか。

 一般市民、患者さんは、西洋医学、補完代替医療の長所と短所を知り、上手くそれらを利用して、ご自身の健康管理に役立てられると良いでしょう。 その為に役立つ情報を今後も提供して参る予定です。

☆ トピック:癌予防12か条 (国立癌センター編)

1.バランスのとれた食事をとる:食品の中で、癌を引き起こしやすいものと、癌を抑制する物質があることが知られています。偏食をさけ、彩り豊かな食事内容を心がけてください。

2.変化のある食生活:内容が同じ食事を繰り返すと、癌の発生率が高まる恐れがあります。パターンを変えて、様々な食品から栄養素を摂取しましょう。3.過食をさけ、脂肪分を減らす:ラットの実験からも過食は癌の発生率を高めることが確認されています。脂肪の取りすぎは乳癌、大腸癌、前立腺癌の発生に関連があることが指摘されています。

4.アルコールは控えめに:大量のアルコールは肝臓だけではなく、口腔や咽頭、食道を損傷し、癌を引き起こす恐れがあります。さらに、タバコと併用すると悪因子が相乗効果を引き起こすことがあります。

5.喫煙を減らす:タバコは様々な悪影響をもたらします。やめるのが難しい場合は、せめて本数を徐々に減らしてください。

6.ビタミンを適切に、繊維質は多めに:水溶性ビタミンA、C、Eや食物繊維は癌を抑制する働きがあることはよく知られています。食物繊維は便通を良くし、大腸癌の発生抑制にも効果的です。

7.塩分を減らし、熱いものは避ける:塩分過剰摂取は胃、熱すぎる物は食道に損傷を与え、癌の原因にもなります。

8. 焦げた部分は避ける:魚や肉などの炭水化合物の焼け焦げは発癌性があることが確認されています。

9. カビが生えたものは要注意:カビにも様々な種類があり、ナッツやトウモロコシ類につくカビは強い発癌性があるものがあります。

10.日焼けに要注意:紫外線は皮膚にダメージを与え、皮膚癌を誘発する可能性があり、日焼けし過ぎないようにする。

11.適当なスポーツを:
疲労やストレスがたまると、体の生理機能や免疫力が低下するので、肥満予防のためにも適度に運動し、汗を流し、心身のリフレッシュを計りましょう。

12.体を清潔に:毎日の入浴は皮膚を清潔に保ち、皮膚癌、陰茎癌、子宮頚癌の予防になります。皮膚の汚れがたまりやすい部分はいつも清潔にしましょう。

自分で生活習慣を改善し、自分の身は自分で守るようにすれば、癌だけでなく様々な病気の予防になります。

☆ カイロプラクティック・ミニ講座:新しい医学の誕生

 1895年(明治28年)、その後の世界人類と医学に重大な影響を及ぼす二つの発見がありました。

 その一つは、11月8日ドイツにおいて、物理学者レントゲン (Wilhelm Conrad Roentgen) が、X線を発見したことです。 今日の医学・医療においてX線なくして画像診断は語れませんし、日々の臨床においても無くてはならないものですから、その重要性について疑う人はいないでしょう。

 そしてもう一つは、9月18日アメリカのアイオワ州ダベンポートにおいて、DDパーマー(Daniel David Palmer)によってカイロプラクティックが発見・創始されたことです。 今日、世界保健機構(WHO)が認める世界の三大医学は、西洋医学、東洋医学、そしてカイロプラクティックとなっています。

 カイロプラクティックは、アメリカ中西部が発祥の地の「新しい科学的な徒手医学」として世界的な普及を見ており、各国政府などの研究によってその効果や安全性が証明されており、21世紀には益々重要性が高まっています。 

 カイロプラクティックは、整体とは全く違う別の医学ですから混同しないようにして下さい。


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