MASAさんの健康と医療関連トピック



著者略歴 
MASAこと、Dr.松下順彦DC,LCP


1962年、大阪生まれ、44歳。 職業は、カイロプラクティック医師。 明治東洋医学院卒: 鍼灸師免許、柔道整復師免許を所持。 大阪府枚方市で松下鍼灸整骨院を開業、10年以上の臨床経験 を持つ。

 パーマー大学卒: ドクター・オブ・カイロプラクティック学位 (DC)、カイロプラクティック哲学称号(LCP)を取得。
イリノイ州免許( Licensed Chiropractic Physician )を所持。

 2005年3月から、シカゴ郊外アーリントンハイツのACE CHIROPRACTIC CLINIC の院長。 脊柱解剖学II解剖実習参考書を著作、代替医療専門誌「医道の 日本」「マニピュレーション」「カイロタイムズ」に論文寄稿 。「カイロプラクティックのこころ」翻訳協力。「ジャングル 」「シカゴ新報」など日系紙に健康コラム執筆。 国際日本人DC倶楽部(IJDC)の会長として、正しいカイロプラ クティックの普及・啓蒙活動に精力を傾注している。

                  第16回 サプリメントを過信しない

 
人間は生命活動維持のために栄養素を摂らなくてはなりません。 栄養素には糖質、タンパク質、脂質、無機質(ミネラル)およびビタミンなどがあります。 これまでも筆者は、健康を回復・維持・増進するためには食事が重要であると述べてきました。 今回は、それを裏付ける研究論文を紹介しましょう。 

 ペンシルベニア州立大学栄養科学部、栄養学のPenny Kris-Etherton名誉教授らが1994〜2002年に実施された抗酸化物質に関する論文をレビューし、研究結果を医学誌Circulation(2004; 110: 637-641)に寄稿し、米国心臓協会(AHA)に報告しています。 

 その研究では、「心血管疾患(CVD)の予防または治療に抗酸化サプリメントをルーチンに使用しても,その有効性は証明できない。 現時点では、心血管疾患リスクを低減させるために抗酸化サプリメントを摂取するよう勧める理由はほとんどない」とKris-Etherton名誉教授は述べています。そして、米国心臓協会は、「抗酸化ビタミンの恩恵が得られる果物、野菜、全粒穀物、魚、豆、鶏肉や赤身肉の多い食事」を引き続き推奨しています。 

 Kris-Etherton教授は「果物や野菜の多い食事を取ると心血管疾患リスクが低下することはわかっているので、米国心臓協会の食事ガイドラインに一致する食事を取ることが勧められる。 加えて、心血管疾患リスクを低下させるには健康的な体重の維持と身体的活動性が大切である」と述べています。 

 つまり、「抗酸化ビタミンはサプリメントではなく、食品から摂取すべきである」という事です。 また、関節炎や関節痛に効くと言われるサプリメントには、グルコサミンやコンドロイティン硫酸などがあり、その混合剤は2007年の売上高が約8億3100万ドルと、アメリカのサプリメント市場6位の売り上げを達成しています。 

 しかし、医学誌Arthritis and Rheumatism のオンライン版に掲載された2008年の最新の報告では、グルコサミンやコンドロイティンなどのサプリメントについて、関節炎患者の軟骨損失などの「進行を遅らせる証拠が見つからなかった」と、ユタ大学医学部リュウマチ学のアレン・サウィツケ教授は述べています。 

 2年間の調査で、比較に使った偽薬を上回る効果が見られず、サプリメントには、うたい文句のような効果が無かったという事です。 つまり、米国民は、昨年だけで約8億3100万ドルも、効果の無いサプリメントに浪費していたことになります。 それだけではありません。 コンドロイティン硫酸を含む健康食品の一部に、同硫酸の含有量が表示より大幅に少ないものがあることが日本の国民生活センターのテストで判明し2008年8月7日に公表されました。

 同センターには過去5年間に、コンドロイティン硫酸やグルコサミンを含む健康食品について「効果があるのか」「成分を知りたい」などの相談が約1200件寄せられており、18種類の商品をテストした結果、「3種類がコンドロイティン硫酸を表示の約17〜24%しか含有していなかった。 ほかの15種類も、含有量がコンドロイティン硫酸を含む原材料の量という趣旨の表示の約0・4〜35%であった」と国民生活センターは報告しています。

 筆者は、読者の皆さんの多くは、手軽で効果的と信じてビタミン剤やコエンザイムQ10などのサプリメントを呑んでいる事を知っています。 それは、サプリメントの製造・販売会社などの広告にある、一見科学的な裏付けがあるかのような情報を信じているからでしょう。 

 2009年2月3日、日本の公正取引委員会は、口臭や体臭の消臭効果をうたった「シャンピニオン」というキノコから抽出したエキスを含むサプリメントが、専門家の調査の結果、「消臭効果をうたった表示を裏付ける科学的根拠がない」と判断、販売していた7社に景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして排除命令を出しています。 

 サプリメントなどの健康補助食品は、医薬品のように米国食品医薬品局(FDA)や厚生労働省などの公的な検査や認定を受けていないため、その効能や効果の科学的根拠、そして栄養素などの含有量が表示通りかどうかさえ保証されていないのが現実です。  

 効果も品質も全く保証がないのですから、筆者はクリニックで患者さんにサプリメント類の販売をしないのです。 例え販売価格の約50%が儲けになると分かっていても、そんなモノは販売しません。 本当に健康を大切にしたいなら、食事でバランスよく有機食品など自然の食材からビタミンやミネラルなどの栄養素を摂取して下さい。以前に紹介した「にんじんジュース」も有用ですからお勧めします。 

☆ カイロプラクティック・ミニ講座:

 椎間板障害と手術とカイロプラクティック日本人でもアメリカ人でも、多くの人々を苦しめるのが腰痛であり、しばしば椎間板の障害が伴うことがあります。 椎間板ヘルニアがその代表です。そういった椎間板障害の患者に対し、西洋医学では鎮痛剤の投薬、牽引療法など理学療法を行い、また手術を行うことも少なくありません。 では、その手術の成功率はどうなのでしょうか。 

 400例の手術の研究では、52%が手術前と同じ腰や脚の痛みを訴えました。 また別の886例の手術の研究では、44%が手術後も改善しないか、悪化したと報告しています。71名の外科医による7391例の手術の研究では、48%が手術後1年以内に手術前と同様の痛みを訴えています。これらの研究から判断すると、失敗手術症候群とされる患者は約50%です。 ミネソタ大学Pain and Rehabilitation CenterのN.シャリー医師は、「米国で行われる腰部椎間板手術の10%以下しか効果が保障できない。 もし、その手術が効果的でなかったら、2度3度と手術を受けても効果は期待できない」と述べています。1536例の腰椎に問題のある患者をカイロプラクティックでケアした研究では、96.4%が満足できる結果を得、手術に救いを求めたのは3.4%でした。  

この研究によって: 
1.椎間板障害の患者にカイロプラクティックの有効性が優れていること
2.結果的に遅れて手術を受けた患者にも、カイロプラクティックは何ら損傷を与えていないこと
という2つの事実が判明しました。 椎間板に問題がある腰痛も、先ずはカイロプラクティックを試すのが論理的かつ適当な判断と言えるでしょう。 ご存知でしたか? 今回紹介した事実を。 古い常識や思い込みは、「百害あって一利なし」です。 貴方と家族の健康の為にも、ここで刷新して下さい。

 
Dr.松下は、カイロプラクティック医師免許、鍼灸師免許を所持し、低周波治療や温熱療法など理学療法のNBCE国家試験に合格、柔道整復師免許も所持しております。 ご相談はお気軽にどうぞ。


                                    
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