藤河さんのシカゴはクール



著者略歴 藤河信善

現住所:シカゴ(USA)
職業:分子生物学者/Ph.D(日本、アメリカ、ドイツの大学で研究歴)、映像作家、旅行家。
で、誰あんた?:医学部で働いたり、ラオスの山中を山岳民族と渡り歩いたりと、大志無く、ただ赴くままに生きているジプシー人生。


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*釣りをしてみたいんだけど初めてで不安、釣りが好きなんだけ何処へ行けば大きな魚が釣れるのかわからない、トローリングに同乗して欲しい、アメリカ人ガイドでは英語が不安という方は、「wanderphoto[at]live.com」まで。



                 中西部釣り紀行その7


ミシガン湖の陸っぱりサーモンフィッシング

 ミシガン湖でのサーモントローリングについてはすでに紹介済みだが、今回は湖岸からの陸っぱりサーモンフィッシングについて紹介しよう。

 冬は体感温度でマイナス20度の日が続くような極寒の地に位置する中西部だが、大陸性気候ということもあって真夏の気温は意外かもしれないが日中40度にも達する。その為に夏の間は湖岸から遠く離れた深度の深いエリアに移動しているサーモンを陸っぱりから釣るのはほぼ絶望できだが、秋が近づき産卵前のサーモンたちが接岸を始めるといよいよ陸っぱりからのサーモン釣りのチャンス到来というわけである。

 ミシガン湖の場合には、約4年でサーモンたちは産卵期を迎えるといわれている。もちろん中には2年や6年などという固体もいるにはいるが、基本は4年周期と考えてよいだろう。またアラスカなどでは産まれた河にサーモンは帰ってくるとされているが、基本的に大河が注ぎ込むわけではなく、また自然孵化ではなく、あくまで放流魚が主体の五大湖サーモンは、自分たちが放流された川や港に産卵に帰る割合が低いといわれている。

 それだけに五大湖の産卵期サーモンの遡上に関しては、秋口の降雨量が鍵を握っているともいえるだろう。つまり聳え立つ山脈のない五大湖周辺では、川はあくまでゆるやかに平地を流れ、水流も水深も日頃それほどあるわけではない。そこで秋口の雨が、あの大きなサーモンたちが大量遡上できるかどうかのシグナルになるのだ。つまりサーモンを湖岸から狙いたければ、この雨降りを待ち受けている時期を河口付近で狙うのが一番効果的というわけである。

 ミシガン湖の場合、水温の低い湖北から遡上は始まり、水温が下がるのに合わせて徐々に湖南での遡上が始まる。具体的にいえば、湖北で8月中旬に遡上が少しずつ始まり、湖南で9月下旬に遡上が始まるといった感じだろうか。その年の気温や天候の条件などにより、これらは変動するのではっきりしたことは言えないが、ミシガン湖で陸っぱりからサーモンを狙いたければ9〜10月がピークだと思えばよいだろう。もちろん12月中旬でも陸っぱりからサーモンが狙えないことはないし、実際に私も12月に何本かサーモンを釣り上げている。ただし、やはりそれらは時期はずれのサーモンであって、シカゴアンに言わせると「ゾンビ」ということになる。つまり引き味は、もう死にかけのサーモンのものであり、あの秋口のサーモンの強烈なファイトは望むべくもない。

 サーモンというのは面白い魚で、産卵に備えた遡上前になると魚体に変化が現れ始める。夏にトローリングなどで湖の真ん中で釣れるサーモンは、キングもコーホーも銀色に輝くピカピカの魚体をしているのだが、遡上前になるとキングは雄の鼻先が尖がり出し、黒色化が始まり、臭いも生臭い強烈な魚臭を放ちだす。そしてコーホーは、ピンク色の魚体に体表が変化し始め、ヌメヌメとした粘液が体表を覆いだす。この時期以降のサーモンは基本的に捕食活動はしないとされているので、釣る際のルアーやフライの選択は、できるだけ彼らの攻撃本能に訴えかけるものがよいようだ。


初めてなら間違いなく度肝を抜かれるキングの走り

 「これが淡水魚の走りなのか?」、思わずそう口走ってしまいそうになるほどキングのファイトは強烈だ。もちろんそのサイズもあるのだが、やはり五大湖へ連れてこられる前は太平洋の荒波を生き抜くように体ができていたのだから、これを淡水ターゲットと呼んでいいのかどうか改めて疑問になってしまうのがしょうがないほどの、まさに淡水ターゲットの王様に相応しいファイトである。

 確かに淡水にも鯉やナマズのような重量級超ストロングファイターがいるにはいるが、やはり海の魚に通じる峻烈なスピード感というか切れのあるファイトという意味では、このキングサーモンを置いて淡水魚ターゲットには右に出るものはいないであろう。(20ポンドのラインで10ポンドクラスを強引に釣り上げた時には、そのファイトに耐え切れずあわやルアーのリングが開いて外れる寸前になったこともある。)

 そんな強烈なファイトをするキングだが、やはりトラウト・サーモン類は目がよいので、パイクやナマズ相手のようにやたらむたらにラインを太くしてしまうと、明らかに釣果は下がってしまう。

 そこで平均10〜20ポンドのミシガン湖キングを相手にする場合でも、ラインは12ポンドを基準にして使うことになる。そのラインを軸に、バットのしっかりした8〜11フィートの竿を使い、最低100mは一気に走られてもよいようなリールを装備して挑むとよいだろう。

 ルアーは、シルバーかゴールドのスプーン、Kwikfishのようなディープダイブ系プラグ、そしてワームといったところが、ここ40年のローカルフィッシャーマンが開拓してきた効果的陸っぱりサーモンルアーである。アクションとしては、スプーンを底すれすれにリフト&フォールを繰り返すパターン、プラグをゆっくりとただ巻き、ワームも同じく変なアクションはかえって見破られやすいので、ダウンショットリグまたはキャロライナリグでゆっくりとずる引きする感じでというのがお勧めである。

 フライは、陸っぱりからでも釣れないことはないのだが、強い湖風が吹き付ける日が多い五大湖では、よほどの根気がないとフライロッドを振り続けられないであろうから、また次回河川でのサーモン釣りの項に譲るとする。

とにかくサーモンの食い気というか、反応はサイクルがあるので、周りが連れ出した時はチャンスだ。もしかしたらそのチャンスな時間帯は10分程度かもしれないし、2時間くらい続くかもしれない。

 ただこれだけはいえるのは、反応がなくなると目の前にうようよとサーモンが集まってきても一切構ってもくれないということになる。それは鼻先に一番効果的だとされるサック(イクラをストッキングみたいな網で包んだ餌釣り)を垂らしてもまったく無視というほどである。

 餌釣り、ルアー、フライの他にも、サーモン釣りにはスナッグといってギャング針のようなものでの引っ掛け釣りがあるが、個人的にもこの釣り方は好きではないし、禁止されている区域がほとんどなのであまりお勧めはしない。


*釣り場は地元の人たちが大事に育ててきたものであり、また情報を提供していただいた方々にもご迷惑がかかりますので、釣りキチ三平スタイルで詳細な位置は示しません。
ご連絡はこちらまで「wanderphoto[at]live.com」



                                   
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