藤河さんのシカゴはクール



著者略歴 藤河信善

現住所:シカゴ(USA)
職業:分子生物学者/Ph.D(日本、アメリカ、ドイツの大学で研究歴)、映像作家、旅行家。
で、誰あんた?:医学部で働いたり、ラオスの山中を山岳民族と渡り歩いたりと、大志無く、ただ赴くままに生きているジプシー人生。


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*釣りをしてみたいんだけど初めてで不安、釣りが好きなんだけ何処へ行けば大きな魚が釣れるのかわからない、トローリングに同乗して欲しい、アメリカ人ガイドでは英語が不安という方は、「wanderphoto[at]live.com」まで。



                 中西部釣り紀行その5


五大湖のサーモンたち

 1970年代から始まり、今では五大湖周辺のアングラー達にとってなくてはならないほどの存在となっているターゲットフィッシュ、それが別名キングサーモンことチヌークなどのサーモンの仲間たち。「70年代に始まりということは、それ以前はどうったのか?」という疑問はもちろんあるだろうが、実はこのサーモンの仲間たちはもともとこの五大湖に住んでいたのではなく、遥か遠く離れたアラスカなどの太平洋岸から移植されてきたものなのだ。それが実験的に放流・繁殖、そして釣りのターゲットとして注目を浴びだしたのが70年代というわけだ。

 私も初めてシカゴにはキングサーモンがいるというのを聞いたときに、「えっ、キングの故郷である太平洋からこんなに離れたところになんでキングサーモンがいるの?」と疑問に思ったものだ。何しろ地元の釣り人の意見を尋ねてみても、「いや、彼らは元々この大きな湖にいたんだ」だの、「大西洋からセント・ローレンス河を遡ってきているんだ(実際に魚止めとなるナイアガラの滝までは、キングとは種の異なるアトランティック・サーモンが生息している)」だの、「誰かが逃がしたものが自然繁殖したんだ」だのとまったくどれが本当なのかわからないものばかり。

 その答えが上記のものだったというのは、図書館にある資料をいろいろと調べてから後々知ったことである。ただし、この五大湖での純粋に淡水のみで成長するサーモンたちは、いくら海のように大きな五大湖育ちだとはいえ、アラスカや西海岸の太平洋育ちのサーモンたちとは餌も性格も違い、その釣り方というものは資料も乏しく、まだまだ発展途上にある。

 五大湖に移植されたサーモンたちには、キングサーモン(チヌーク)、コーホー(シルバー)、ピンク(カラフトマス)、ドッグサーモン(チャム)、ベニザケ(ソックアイ)などが資料の中には見つかるが、実際に五大湖でたくさん釣れるのは今ではキングサーモン(以下キング)とコーホーの2種類である。ただし、この2種のサーモンもこの五大湖ではなかなか自然繁殖は難しく、その大半は各州のDNRの放流によって維持されているのが現状である。


ミシガン湖名物キングサーモン・トローリング

 まだまだ発展途上にあるといった五大湖でのサーモン釣りだが、トローリング船をチャーターさえすれば初心者でも気軽に挑戦することができ、あの豪快なキングサーモンのファイトを楽しめるのがトローリングというフィッシングスタイルである。

 ただし船からのジギングなどと違ってこの釣り方の欠点は、重度の釣りキチたちにとっては直にラインと腕に伝わるファイトの微妙な具合や、船の進行方向とは逆にグイグイひっぱられながらのファイトということで純粋な魚とのファイトというわけではなく、水圧に逆らった綱引き比べになってしまいかねないことだ。

 その上、ルアー、ライン、タックルの選択はもちろん、水域、トローリング法、魚群探知機のチェックなどキャプテンに委ねてしまい、釣果の95%は釣り人自身ではなくキャプテンにあるという点である。実際に私もキングサーモン大会に出場して入賞賞金の100ドルをもらったことがあるのだが、まったくもって自分で釣ったという感覚はなかった。もちろん自分で船を出して操舵する場合においては、その複雑さ、戦略性は数倍にもなることはいうまでもない。(ちなみにバスフィッシングの世界ではレジェンドとされ、私も一番彼のパターンフィッシングには影響を受けているローランド・マーチンのTVショーなどでも、バスに関してはプロの維持にかけて良い型をいろんな条件化で釣り上げるのだが、マグロなどの大物とローリングでは数日間のロケで不発に終わることも多い。まあ、こればっかりはレジェンドなローランドでもしょうがない・・・。)

 「じゃあ、トローリング船をチャーターしてキング・サーモン釣りをするのは楽しくはないのか?」。結論から言うと楽しい(笑)。広大なミシガン湖に上る朝日を眺めながら、静かな湖面を伝わる爽やかな風を感じ、水中に潜む巨大な魚影に思いを馳せる瞬間というのはやはりドキドキするものだし、初心者にも上級者にも同様にチャンスがあるという意味では、友達同士のアウトドアイベントとして繰り出すには最高だろう。それにキャプテンとのいろんな会話や、ローカルの釣法を知り尽くしたガイドと過ごすひと時というのは十分にお金を払うだけの価値があるものなのだ。

 ポイントとなる40〜100フィートの水深にあるドロップオフ付近を、時速1.5マイルくらいのゆっくりとしたスピードでトローリングしていく。ひとつの船で5本から多い時は10本ほどの竿を出し、20ポンドのナイロンライン(ショックリーダーは特になし)に、1オンスクラスのスプーンを着けて流すというパターン。色は日の出前は蛍光色、日が昇ってからはシルバー、ゴールド、レッド、ピンク、グリーンととにかく15分おきくらいにはテキパキとその日のあたりカラーを探していく。この辺りはキャプテンの勘と経験の見せ所だろう。

 早朝4時半に港を発ち、午前10時前の寄港までのトローリングでの成果は、船に乗り合わせた4人の釣り人全てでキング1匹にコーホー1匹というものだった。これはトローリングとしてはかなりよろしくない釣果で、釣れる時には船で20匹、平均でも5〜10匹というのがミシガン湖でのサーモントローリングの釣果だろう。
 
 ただ、この日釣れたのはキング18ポンドにコーホー7ポンドだったので、これを捌いて食べるとすれば4人でも冷凍しておかないとすぐには食べきれないほどの量には違いないのだが・・・。


*釣り場は地元の人たちが大事に育ててきたものであり、また情報を提供していただいた方々にもご迷惑がかかりますので、釣りキチ三平スタイルで詳細な位置は示しません。
ご連絡はこちらまで「wanderphoto[at]live.com」



                                   
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