藤河さんのシカゴはクール



著者略歴 藤河信善

現住所:シカゴ(USA)
職業:分子生物学者/Ph.D(日本、アメリカ、ドイツの大学で研究歴)、映像作家、旅行家。
で、誰あんた?:医学部で働いたり、ラオスの山中を山岳民族と渡り歩いたりと、大志無く、ただ赴くままに生きているジプシー人生。


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*釣りをしてみたいんだけど初めてで不安、釣りが好きなんだけ何処へ行けば大きな魚が釣れるのかわからない、トローリングに同乗して欲しい、アメリカ人ガイドでは英語が不安という方は、「wanderphoto[at]live.com」まで。



               中西部釣り紀行その10


豪快なジャンプを繰り返すスチールヘッド

 この魚の魅力にはまってしまうと、一生をかけてその姿を追い求めてしまう釣り人も多いといわれるのがスチールヘッド。そんな狂信的なスチールヘッド釣り師のことを人は「スチールヘッダー」と呼び、呆れ、そして自分の中にも流れる釣り人の性を再認識することになる。

 スチールヘッドといっても馴染みのない方もおられるかもしれないが、ようは降海型のレインボートラウトのことで、渓流で一生を過ごすレインボーに比べるとサイズも性格も凶暴になるタイプというわけ。それだけにルアーであれ、フライであれ、フッキングが綺麗に決まった後の暴れようはまさに淡水魚のターポンのようだ。


五大湖にこの魚が移植されたのは、キングサーモンのそれよりも遥か昔に遡り、1800年代の後半にはすでにゲームフィッシュとして導入され始めていたという。

 このスチールヘッド、移植前の本来遡上していた川にちなんで幾つかの名前がつけられており、そのそれぞれが産卵のために遡上する時期も、そして性格も体格もまったく違うという面白い魚である。ちなみにここ中西部で釣れる代表的なスチールヘッドには、「Michigan」、「Chambers Creek」、「Arlee」、「Ganaraska」、「Kamloops」、「Skamania」の6種類がある。

 もちろんそのどれもがスチールヘッドと呼ばれるの魚であることに違いはないのだが、先に挙げた代表的なスチールヘッドのなかでも特に中西部の釣り人に人気があるのが、別名サマーランとも呼ばれる夏に遡上を開始するスカマニアである。このスカマニアの特徴として、6月の終わりには遡上を開始し、実際に産卵を開始する2月中旬までを川に潜んで暮らすというものがある。基本的に中西部の夏は、彼らが生まれ育った西海岸とは違って雪解け水が流れる清流というものが存在しないだけに、彼らにとっては非常に厳しい環境であることには違いないのだが、そんな夏の暑さにも負けず逞しく生きる強い生命力がある。また中西部に生息する他のどのスチールヘッド系統よりも激しくファイトするということで、このスカマニアに魅せられる釣り人は多いというわけだ。もちろんその激しいファイトぶりだけではなく、ウィンターランのように厳しい中西部の寒さの中を川の中に立って竿を振り続ける必要がないというところも多くの釣り人にとっては見逃せない魅力のひとつだが・・・。

彼らの中に潜む怒りを引き出すのがコツ

 中西部の川の場合、スポーツフィッシングの収入源として各州が計画に則って放流管理をしてくれていることと、山がない土地柄のために夏の水量や適正水温が限られているということや、河口にダムが築かれている河川が多いこともあって、基本的に遡上の時期を逃さなければ相当数のスチールヘッドが一部の川に押し寄せるために魚影は非常に濃いものとなる。そのおかげで、余程天候が悪い、もしくはスチールヘッド初心者でない限りは、かなりの高確率で彼らの顔を見ることができる。

ちなみにこの中西部の川でのスチールヘッドに関しては、私よりも遥かに経験も知識も豊富なのが釣り仲間のサイモン氏。おそらく日本人に限らず、中西部スチールヘッダーの代表格といってもまず間違いないだろう。もし読者の中にクラシック・アブリールのファンがいれば、サイモンブランドの名前でご存知の方もいるのでは?

 とにかく私も中西部歴はまだまだ浅いので、彼からいろいろとこの土地での釣りについて学ぶことは多い。(サイモン氏について

 湖でこの魚に対峙する場合には、川のように狭いエリアにスチールヘッドの濃い魚影が集中するということは珍しく、ポイントに固まるということはあってもやはりそこは海のように広い五大湖、それなりに魚は拡散してしまう。そこで狙いを定めるポイントとしては、川の流れ込む河口付近、冬の間も比較的水温が高く保たれる工場や発電所の排水口近く、またベイトフィッシュとなるスメルト(ワカサギみたいな魚)が産卵のために接岸する時期、そして月齢や風の影響も見逃せない。

 また川と違ってどこに魚が潜んでいるか確認するのが難しい湖岸からの釣りの場合には、北風に耐えながら広範囲に歩きつつキャストを繰り返す忍耐強さが必要となる。そして川の場合でも、湖の場合でもこの攻撃的なトラウトを仕留めるキーポイントとなるのが、同じポイントへしつこいくらい何度もラインを通し、彼らの攻撃性を引き出すということだ。

 タックルはキングサーモンほどではないが、それなりにバットの強いロッドと最低8ポンド以上のラインが必要とされる。ルアー選択としてはスプーン(1/4〜1オンス)、スピナー(1/8〜1/2オンス)やラパラ9〜11インチがよく使われる。フライの場合には、6〜8番手が使用される場合が多い。また餌釣りの場合には、ミミズ、小魚、イクラ、そして珍しいところでは缶詰のコーンなどが使用される。

 やはり北国の釣り師ならば、一生のうちで一度くらいはこのスチールヘッドを釣ってみないと絶対に後悔するというものだ。

*釣り場は地元の人たちが大事に育ててきたものであり、また情報を提供していただいた方々にもご迷惑がかかりますので、釣りキチ三平スタイルで詳細な位置は示しません。
ご連絡はこちらまで「wanderphoto[at]live.com」



                                   
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