Kuni のウィンディ・シティからの手紙


著者略歴 馬場邦子

アメリカの通信社東京支局、及びシカゴ支局で金融をカバー。
サンノゼ・マー キュリー・ニュースの 東京支局長アシスタントを経て、フリーに。
主にジャパン・タイムズにアート・ レビューを執筆。
2002年2月より、シカゴ郊外アーリントンハイツに住む。

ブログ


バックナンバー
     シカゴすみれ幼稚園、豆まき体験入園説明会行われる
                      子供たち豆まきを満喫!



幼稚園の説明会は、大勢の保護者が熱心に耳を傾ける中、進められた。右から、中村泰章園長、後藤龍之介双葉会会長、時田正敏準備設立委員会委員長、吉田弘子先生、栗林一夫副園長
 2月3日節分の日曜日、今年4月から設立されるシカゴすみれ幼稚園の説明会と豆まき体験入園が、シカゴ双葉会日本人学校の図書室と小体育館で行われた。当日45人もの幼稚園児の子供を持つ親たちが出席し、真剣に説明会に耳を傾け、さまざまな質問もでて、新しい幼稚園に対するみんなの注目の高さがうかがえた。 説明会の冒頭の挨拶で、双葉会会長後藤龍之介氏が、「昨今の駐在員の年齢が若くなり、幼稚園児を持つ駐在員が増え、幼稚園教育の環境を整えることが非常に大事であり、それと共に、幼稚園児にとって母国語をしっかり身につけるのも非常に大切である。」と強調。
 
 「世界中でも全日制の日本語幼稚園が非常に少なく、(文部科学省の認可の)全日制の日本人学校もアメリカでは、わずかにニューヨークとシカゴの2箇所であり、子供たちが安心して日本語教育を受けた上で、英語を身につけるのを双葉会も影ながら支援していきたい。」と語った。

 続いて、すみれ幼稚園園長中村泰章氏が、どういう幼稚園にするか、2つの大きな柱を説明した。「1つは、異年齢間の交流活動を大切にした幼稚園を作りたい。かつては、近所のお兄ちゃんお姉ちゃんと集団の中で遊びのルールや友達関係を学んできたが、今の日本の環境は、群れて遊ぶ場が少なくなってきたのを実感している。ここ日本人学校では、中学生が小学生の面倒を見たり、また中学生が小学生のアイディアを吸い上げたり、縦割りのよき関係がある。(全日校の)160人のお兄ちゃんお姉ちゃんの中に、幼稚園児が交わっていくという自然な発達段階を促す教育環境を大切にしたい。」と語った。また、「2つ目は、自然体験的な遊び活動を重視し、日本人学校の広大なグラウンド、整った施設や設備、豊富な教材を生かし、それを最大限利用できるような企画、たとえば、凧あげなどをやりたい。」と続けた。

 中村園長は、シカゴ日本人学校全日校の校長も兼任しているため、全日校の活動内容は熟知している。すでに、1月から全日校の小・中学部の先生と幼稚園の先生とで、交流会議を行い、そこで幼稚園のカリキュラムの検討をし始めている。年間の予定されている主な行事は、4月9日の入園式から始まり、ミニ運動会、こいのぼり会、全日運動会、虫とり、凧あげ、遠足、農園野菜作り、おいもほり、バーぺキュー、ハロウィン集会、お店屋さんごっこ、クリスマス発表会、雪あそび、おもちつき、豆まき、ひなまつりなどと盛りだくさんだ。

 この話を聞きながら、私は、小さな幼稚園児たちが、あの日本人学校の全日校の生徒たちと一緒に広々とした校庭で、一緒に交わって遊ぶ様子を想像した。正直言って、わがままな話だが、全日校に幼稚園が4月からできると聞いて、全日校への影響を少し心配をしたりもしたし、説明会に出席していた保護者からも心配する声があった。しかし、園側の話だと、幼稚園は、1つのポットに集められ、ドアでしきられ、完全に他のポットから遮断されるという。


すみれ幼稚園として使われる予定の教室この教室の左側にある仕切りがはずされ、この倍の広さのスペースが1クラスで使える。
ぜいたくなことに、そのポットの中の各クラスは、年中、年長共2つの教室を使った広いスペースで伸び伸びした保育ができるという。また、全日校に通う小学2年生の下に弟妹のいない次男にとっても、小さな子たちの面倒を見る機会ができるのはいい経験になるのではないかと思う。次男も幼稚園ができると聞いて、興味津々の様子。「幼稚園の小さな子たちの面倒をちゃんと見るんだよ。」と話して聞かせたら、うれしそうにうなずいていた。

 そして、副園長は、日本人学校の事務局の仕事を長年してきて、学校にとってはなくてはならない存在の栗林一夫氏が今まで通りの事務長補佐と兼任。肝心の幼稚園の先生は、3人で、補習校の幼稚部主任もされ、12年間アメリカで幼児教育に携わってきたベテランの吉田弘子先生が主任。補習校幼稚部で数多くの教員経験を積んできた西藤香織先生と清水まゆみ先生(清水先生は、補習校の小学部教員も経験)が担当する。吉田先生は、「<双葉会の全日校に、日本語の幼稚園を!>という想いは、この10年の夢でした。いろんな方々の協力で、夢だった話を現実にすべく頑張っています。」と熱いメッセージを「先生紹介」という保護者への手紙の中で語っている。

 保護者の中から質問がでるほど、大切な「英語遊び」の担当のバイリンガルの先生は、全日校英語科の教師、ライアン・クリスティ先生が担当する。クリスティ先生は、若くてハンサムで面白く、日本語もできるので、全日校の生徒たちにとても人気がある。次男もクリスティ先生の「英語遊びの時間」が大好きだ。きっと、幼稚園児たちもクリスティ先生と遊びを通して、楽しく英語が学べるのではないだろうか。

 説明会の後は、保護者たちが年中、年長と分かれ、くじを引く。「準備期間が短く、幼稚園に関する情報が行き渡るのを完全に公平にするため、やむを得ず、入園説明会当日に願書提出を締め切り、同時にくじ引きをひいてもらうという形になった。」とおわびを交えながら、幼稚園準備設立委員会委員長の時田正敏氏は説明する。年長は、15名定員中13名が応募したので、全員入園できるが、(こちらもくじを引いた)年中は28名もの保護者が応募し、くじを引いた。
28名もの応募があった年中のくじ引きの様子

 各自番号をもらい、2月11日までに入園するのかどうかを決める。願書を提出したが、今日のことをふまえて、1週間考える期間があるということだ。

 「もし、年中の定員15名より多くの保護者が入園希望の場合は、20名までは入れる。(イリノイ州の法律では、年中の場合、園児10人につき、先生1人の割合)年中の場合、21名以上だともう1人先生がつかなければならなくなるため、それ以上応募人数が増えた場合は、初年度なので、(慎重に)11日の夜までにどうするか検討する。」と時田氏は言った。もし、「仮に28人全員応募してきた場合、もう1クラス増やすのはどうか。」という意見もでているそうだ。双葉会としては、1人でも多くの希望者を入園させたいというのが本音だ。全員の希望者がうまく入園できるように、先生の人数を増やすなどして、うまく対応の努力をしてほしいと強く願う。


保護者たちが見学に行ったときには、もうこんなにまとまっていた。ブロックを囲んで、自分たちの家に見立てて、手遊びに集中。
 そして、保護者は、子供たちの豆まき体験入園を見学しに行く。すでに、保護者が説明会を受けている間、西藤先生と清水先生による体験入園は始まっている。小体育館に行くと、小さな子供たちが、真ん中で丸く固まって、きらきらした目を輝かせて、一言ももらすまいと、先生の話を一心に聞いている。先生たちのお遊戯をまねしながら、「鬼をやっつけろー!」「エイエイオー!」と先生たちのまねをして、小さな手を振り上げる姿が勇ましい。

 こんなに短い時間で子供というのは、まとまるものなのだろうか。さすが、子供の心をとらえるのが上手なプロの先生たちだ。

 2年前、うちの次男も、補習校幼稚部で、この清水先生にお世話になった。先生が手作りのドラえもんの道具を使ってさまざまな手遊びをやってくれたのを思い出す。清水先生は、子供たちと同じ目線で、その子その子のいい所を引き出す。

 おそらく、全日制の幼稚園の先生になることで、彼女の才能は、もっと開花されるだろう。清水先生も「体験入園に来た子供たち全員が、先生たちの日本語の指示をきちんと聞き、理解していたのが素晴らしい。」ととてもうれしそうに語った。

左が西藤香織先生、右が清水まゆみ先生


赤鬼と青鬼の出現にみんな騒然!豆を思い切り投げる。
 こわい赤鬼と青鬼の登場で、子供たちはもらった豆を思い切りぶつける。

 「そうか、今日は節分だった。」と思いながら、私も久し振りに日本の幼稚園の気分を味わいながら、シカゴの場所にいることを一時忘れたひとときだった。

 体験入園終了後、2組の親子が去りがたそうに廊下に残っていたので、話を聞いた。2人ともすみれ幼稚園の年中に入れるのを決めているようだ。今、2つのプリスクールをかけもちしている男の子のお母さんが、「2時間のプログラムを終わって、迎えに行くと、いつもせつなそうな顔をしているんですよ。」としみじみ言う。もう一人のお母さんにくじ番号を聞いたら、「3番」と答えて、本当にうれしそうに子供のことを見ながら、笑っていた。他の方々の子供たちもみんな希望通りにすみれ幼稚園に入れますように!



                                   バックナンバー


ホーム | 初めての方へ | お問い合わせ | 投稿者&ライター募集中! | 規約と免責事項 | 会社概要

Copyright (c) 2005 US Shimbun Corporation. All Rights Reserved.