アメリカ縦断。グレート・ミシシッピを行く

  Vol.9 ミシシッピ川を眺めながらドライブするなら〜Le Claire(ル・クレア)、Davenport(ダベンポート)、Burlington(バーリントン) 〜アイオワ州

●Text & Photo/ Shoko Nagano

  
 第6回でご紹介したアイオワ州ドゥビューク(Dubuque)から、バーリントン(Burlington)までは、ミシシッピ川流域を走る通称“グレート・リバー・ロード”をひたすらドライブ。時々車窓から見えるミシシッピ川の眺めは、数千キロの流域の中でも最も美しいとも言われている。新緑の頃もいいけれど、きっと10月後半ごろの紅葉の季節は目も眩むほど美しいに違いない。

       

 このルートには、ベルビュー(Bellevue)、クリントン(Clinton)、カマンチェ(Camanche)、Le Claire(ル・クレア)といった小さな町が点在している。はっきり言ってしまえば、これらはいわゆる典型的な中西部の田舎町と言う以外、特に目立った観光名所もないのだけれど、だからこそ“観光ずれ”してしまった身にはかえって新鮮でほっとする。時々車を降りて自然の息吹を吸い込みつつ、移りゆくミシシッピ川の景観をぼーっと眺める、ただそれだけで十分。
 
 なかでも、ル・クレアは古き良きアメリカの歴史がぎゅっと凝縮された、魅力的な町。「Quad Cities (クォッド・シティーズ:ミシシッピ川沿いの北西イリノイ州と南アイオワ南の4カウンティの総称)」に属し、人口は約4,000人。ヨーロッパからの移民が多く、人口の約95%は白人層で1855年に正式に市と認定された。ル・クレアの名は、この地の最初の所有者、アントワーヌ・ルクレール(Antoine LeClaire 1797 〜1861)にちなんでつけられた。

 アントワーヌはフランス系カナディアンの父と、ネイティブアメリカン(ポトワトミ族)の母のもとミシガン州で生まれた。父フランクはネイティブアメリカンとの交易業で成功をおさめたが、1812年の英米戦争で合衆国側につき、その敗北によってイリノイ州に投獄。当時15歳だったアントワーヌは、英語、スペイン語、フランス語に加えて多くのネイティブ言語を操るスキルを買われ、アメリカ陸軍の通訳に採用された。1832年のブラック・ホーク戦争の停戦条約でも通訳を務め、その際にソーク族インディアンから一帯の土地を譲り受けた。(ちなみにアントワーヌの妻は、ソーク族酋長の孫娘である。)

 この町を一躍有名にしたのは、2010年にヒストリーチャンネルで始まった「American Pickers(邦題:「眠ったお宝探し隊 アメリカン・ピッカーズ」)」というお宝さがし番組。「アメリカン・アーキオロジー」というアンティーク・ショップを共同経営するマイクとフランクのふたりが、アメリカの田舎町を訪ねてガラクタの山のなかから隠れたお宝を発掘し、古き良きアメリカの生活を再発見する、という娯楽&教育プログラム。日本でも「眠ったお宝探し隊 アメリカン・ピッカーズ」として放映され、アンティークファンをとりこにした。この中に登場する「アメリカン・アーキオロジー」こそ、このル・クレアが舞台なのだ。

 ル・クレアから67号線をさらに南に25キロほど下ると、アイオワ州第3の都市、ダベンポート(Davenport)に着く。ダベンポートも、1836年に前述のアントワーヌ・ルクレールによって設立された町だ。さらにミシシッピ川沿いを100キロほど下ると、同じく1836年人口2万5000人ほどの町、バーリントン(アイオワ州)があり、地域ののビジネス、教育、アート&カルチャー、消費を支えている。
 
 さて、このバーリントンで一番有名な場所といえば、「Snake Alley(スネイクアレイ)」。“The Crookedest Street in the World」”(世界一曲がりくねった道)として有名な坂道で、完成は1898年。石灰石と(ブルークレイ)のレンガでのみ構成されている。
 毎年、この急勾配を走るバイクレースが催されるほか、アートフェアや世界のベスト・ショートフィルム(短編映画)を集めた「Snake Alley Festival of Film」なども開催されている。
(※Snake Alleyの歴史はこちら
 
 アメリカ中西部は、アメリカの歴史の舞台そのもののようなところ。ゆったりと時間が流れるこんな小さな町にこそ、本当のアメリカが見えてくる。



  (つづく) ・・・・・・・次なる目的地は、マーク・トゥエインの里、ハンニバル(Hannibal ) 〜ミズーリ州 



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【Le Claire】情報
■La Claire観光案内:
http://www.visitleclaire.com/

■ 観光&アトラクション
アメリカン・アーキオロジー 「American Archaeology」
115 1/2 Davenport St. LeClaire, IA 52753
Tel: 563-265-3939
http://www.antiquearchaeology.com/

バッファロー・ビル博物館 「Buffalo Bill Museum」
アメリカ西部開拓時代にその名をはせた西部フロンティア・マン、バッファロー・ビルの博物館。彼はル・クレアで生まれた。
199 N. Front St.
Le Claire, Iowa 52753
Tel:563-289-5580
http://buffalobillmuseumleclaire.com/

「Mississippi River Distilling Company」

ル・クレアでは有名な、家族経営のウィスキー蒸留所。
ミシシッピ川のもたらす水源と、豊かな大地で実った穀類を利用してゆっくりと醸造するウィスキーが自慢。毎日10時から4時までブリューワリー内の無料ツアーがある。試飲もできる。

http://www.mrdistilling.com/

■ レストラン
「Steventon’s」 (スティーブンソンズ)
テラスからミシシッピ川が一望できる、地元でも人気のアメリカン・レストラン。

1399 Eagle Ridge Road
Le Claire, IA 52753
Tel: 563-289-3600
http://www.steventons.com/


【Burlington 情報】
■Burlington 観光案内:
http://www.burlingtoniowa.org/

■ レストラン
「Big Muddy's 」

ミシシッピ川を行き交う船を眺めながら、西部料理に舌鼓。冬はハクトウワシの群れを見ることができる。水曜日はスシナイト!

710 North Front Street,
Burlington, IA 52601
Tel:319-753-1699
http://www.bigmuddys.com/

■宿泊
「Catfish Bend Inn & Spa」
スパ、カジノ、遊園地を含む、巨大アミューズメントホテル。

3001 Winegard Drive
Burlington, Iowa 52601
Tel : 866-PZAZZ4U
http://www.thepzazz.com/hotel/catfishbendinnspa.asp



★道すがら・町案内


 Mississippi River Eco Tourism Center (ミシシッピ・リバー・エコ・ツーリズム・センター)

アイオワ州カマンチェ(Camanche)にある、ミシシッピリバー・エコセンター。ミニキャンプ場併設の、自然エコセンターで、ミシシッピ川に生息する様々な生態系の展示などもしているが、その展示方法がとてもシュール。

Webサイト



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