アメリカ縦断。グレート・ミシシッピを行く

    ●Vol.1 ミシシッピ川の源流へ。(ミネソタ州)
          Bemdji(ベミジ)〜Itasca State Park(アイタスカ州立公園)

●Text & Photo/ Shoko Nagano
 
 ミネアポリスから車で約3時間半ほど北、ミネソタ州の小さな町Bemdji(ベミジ)。ここは、ミシシッピ川の源流から最初の町として知られている。豊かな自然環境を利用して、夏は釣りやハイキング、冬はヒルスキーやクロスカントリー、アイスフィッシングなどを楽しむ観光客が世界中からひっきりなしに訪れる。
 Bemdjiの名は、ネィティブアメリカンの言葉で「Lake with Crossing Water(水の交わる湖)」を表し、“ミネソタ”、“ミネアポリス”などに使われている“ミネ”という言葉は「水」を意味するという。ミネソタ州の地図を見れば一目瞭然だが、この州は氷河期からの地形変動の影響で、大小合わせると2万以上の湖が存在する、水の州なのだ。

 「ふつう、流域の町はミシシッピ川の東側、西側(にある)って言うでしょう?でもここは唯一、ミシシッピの“北側”の町なのよ」出迎えてくれたBemidji観光局のDenelleさんが夕食のときに話してくれたこの言葉に新鮮な感動を覚えた。私は今、“ミシシッピ川の北”にいるのだ。これはひょっとして、すごいことかもしれない。



源流からいったん北上するため、ミネソタ州でのミシシッピ川は“?”の形をしている。

 源流を訪ねて、Bemdjiから車で約30分のPark RapidsにあるItaska State Park(アイタスカ州立公園)へ向かう。1891年に認定された、ミネソタ州では最も歴史が古い州立公園だ。もともとこのあたり一帯はネイティブアメリカン(インディアン)が狩猟をしながら暮らしていた。1832年、ミシシッピ川流域の探索のために先住民族のオジブエ族(Ojibwe)の案内でこの地を訪れたアメリカ人探検家のヘンリー・R・スクールクラフト(写真下)が、源流を発見。その時、ラテン語の“Truth(真実)”を意味する“VERITAS”と、“Head(頭)”を意味する“CAPUT"をつなぎ合わせてこの地を“ITASCA”と命名した。
 
その後、19世紀後半に急激に人が移り住むようになったことが原因で、原生林であるあかまつ、しろまつが激減、林を守りミシシッピ流域の自然形態を保護する目的で州立公園に制定された。以来、この公園は北米における歴史的自然の名所となっている。


 総面積は32,800エーカー(133平方キロメートル)、サギ、フクロウ、ハミングバード、ビーバー、狼やクマなどの自然動物も豊富に生息しているほか、キャンプ、ハイキング、ピクニック、釣り、バイク、カヌーやボートなど、四季を通じて楽しめるリクリエーション施設も充実した人気の州立公園だ。


                      







曲がりくねった林道沿いには、いくつもの小さな湖が点在していた。この中に、あのミシシッピ川の源流がある。
 


紅葉のシーズンは 10月半ば。あたり一面が黄金に色づく




公園内にある宿泊ロッジ。文字通り“自然以外何も対峙するもののない”環境に惹かれ、毎年ここで静かにクリスマスや記念日を過ごそうとする人たちの予約が絶えないそうだ。「源流」にかけて、結婚式をあげたり、ある時は第2のスタートといって、離婚の決意を胸に訪れた人もいるとか。人生いろいろ。

 そしていよいよ、Mississippi Headwater(源流)が近づいてきた。200メートルごとに「あと○○で源流」というもったいぶった案内看板が目に入る。そして、突如として目の前に現れたのは―周囲2kmほどの小さな湖から注がれるその幅わずか12フィート(約3.7メートル)のせせらぎ。4,100キロの旅を経てはるかメキシコ湾に大河となって流れ込むミシシッピ川が、こんな小さな流れから始まることを知っている人は、実はアメリカ人でもそうはいない。そしてこの源流は、ミシシッピ川の流れのなかで唯一「歩いて渡れる」場所なのだ。

ここがHeadwaters(源流)。歩数にしてたったの12歩。向こう岸に渡るときに願いをかけるとその願いがかなうとか。



ミシシッピ川源流の碑 「ここ標高1,475フィート(約450m)地点からミシシッピ川は始まり、2,552マイル(約4,100km)の曲がりくねった旅をしてメキシコ湾に注ぎ込む」


               こんな小さな標識は、きっとここでしか見られない



 ところで、この地に入った時から見慣れないある魚の存在が気になっていた。その名は「Walleye(ウォールアイ)」。

ウォールアイ:スズキ目スズキ亜目ペルカ科ザンダー属の1種の大型淡水魚である。英語ではイェローウォールアイ、ピッカレル pickerel、イェローピッカレルとも言うが、日本語では希である。 ウォールアイの名は、猫のように光を反射する大きな目から来ている。(By Wikipedia)」

 ミシシッピ川上流でのみ採れる白身魚で、地域によってはネイティブアメリカンにしか捕獲が許されていないというが、ミネソタではいたってポピュラーでどのレストランでも必ずといっていいほどメニューにその名がある。夕べBedmjiのレストランで試してみたところ・・・超淡泊。正直言ってさして旨いというほどでもなかった。
 我々日本人なら、さしずめ@南蛮漬け、A天ぷらにして塩で食べる、または天ぷら茶漬け、Bいっそのこと濃いたれをつけてかば焼き、C蒸し料理にしてわさび醤油・・・にするところだろうか。
 ところ変われば調理法も変わるもの。もし太古の昔にアメリカにお醤油があったら、もっと魚料理はポピュラーになっていたかもしれない。これからミシシッピを旅するなかで、いったい何度この魚を食することになるだろうか?などと思いつつ、次なる目的地へと向かうのであった。



              (つづく) ・・・・・・・次なる目的地は、ミネアポリス。




【Bemidji 情報】

●アクセス :ミネアポリス国際空港からBemidji Regional Airportまでデルタ航空が毎日就航

●宿泊 : 「AmericInn Lodge & Suites Bemidji」
1200 Paul Bunyan Drive NW, Bemidji
Phone: 218-751-3000
www.americinn.com/Hotels/MN/Bemidji

●食事 : 「Sparkling Waters」
824 Paul Bunyan Drive South, Bemidji
Phone: 218-444-3214
www.sparklingwatersbemidji.com
ホテルから10分ほどのところにある、シーフードのおいしいレストラン。土地の名物ウォールアイももちろんここで食べられる。

【Itasca State Park 情報】
●アクセス : ミネアポリスから車で約3時間半。(パーク・ラピッズ(Park Rapids)から北に約37キロ。ハイウェイ71号線を北上。約30分。)
36750 Main Park Drive, Park Rapids, MN
www.dnr.state.mn.us/state_parks/itasca/index.html


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